「ファイモニ公式タッグトーナメント」〜予選Bブロック試合解説〜
第4試合 イチ・ヒロ子&辻 希美 VS 今井 絵理子&ARISA第1試合 平家 みちよ&りんね VS 竹中 美紀子&大木 千佳代 最近好調のりんねは、爆進党の竹中・大木に対しても絶妙なレスリングのテクニックでペースを我がものとする。 ファイモニでの対戦回数が少ない為、その実力は未知数の竹中・大木だが、開始5分で大木が得意の頚動脈 チャップの連打や、河津掛けフェイスバスターといった技を早い段階で決めてりんねの動きを止めにかかり、 徐々にその一発一発の重さを見せはじめる。 そして竹中にタッチを求めた所でりんねが掴みにかかるが、これを大木が“椿の舞い踊り”で振り払う。 フィニッシュに持ち込む万全の態勢で、竹中が一気にスパートをかける。パンチ攻撃、ジョニースパイク、 垂直落下式バックドロップといった頭部への荒技でダウンさせるとストマッククローで腹をえぐり、 ギブアップを迫る。 この強烈な連繋攻撃に平家の健闘も空しく、最後はストンピングの連打から再びストマッククローを繰り出し、 竹中がギブアップを奪った。 (14分49秒、ストマッククロー) 第2試合 矢口 真里&保田 圭 VS 一位 紗耶香&後藤 真鬼 「よいしょ!」の掛け声から巧みに投げ技を仕掛ける一位に対し、矢口も堅実なインサイドワークでペースを 乱さずに試合を進めていく。 そして局面は「保田」対「真鬼」へと移る。カウンターでのマウンテンボムを連発して強引にペースを奪う真鬼だが、 保田も切れ味鋭いニールキックやフィニッシュ技のフィッシュストレッチスリーパーが飛び出しテンションを上げる。 その後も白熱した攻防を展開する両者。真鬼がカウンターローリングエルボー→スーパーダイビングヘッドバットを 見せれば矢口が袈裟斬りチョップ連打→ガッツポーズからのウルトラタイガーアタックを見せて、場内拍手喝采。 矢口らしい明るいプロレスがそこにはあった。 矢口・保田組が僅かながらリードしているかに見えたが、一位もオリンピックスラムで矢口を場外に落とすと、 その後に不意のシンガーソングドライバーを繰り出す。戦局をガラリと変える一位。 そうはさせまいと、保田も奮起。ダイビングダブルニ―プレス、タイガードライバーと繋げて必殺のぺディ・グリー。 観客の期待に大いに応える。 しかし、真鬼へ代わるとペースを崩す保田。タイガードライバー、サムライボムが不発に終わり、フロッグ スプラッシュ、ムーンサルトフォールでカウント2.9に追い込まれる展開に。 ぺディ・グリー→腕固めで必死に追い込みを図るが、その後に前回の悪夢が再び、雪崩式のタイガードライバーを またも決められてしまう。しかしこれを受けながらもチキンウイングフェイスロック、タイガードライバー、フィッシュ ストレッチスリーパーで尚も反撃する保田。最後まで勝ちを諦めない。ゴッチン式パイルドライバーを喰らうも なんとか矢口にタッチ成立。 その矢口が悪夢を覚まさせるようなスーパーフリークで会心のフォール。これで3カウントを決めれば劇的な 勝利となる。しかし僅かながら真鬼の両肩は上がる。 その後のファイナルエルボーからのフォールをなんとか返した矢口がパワーボムを決めたかと思いきや、 喰らった真鬼が小包固めで逆に矢口をフォール。これが痛恨の3カウントを鳴らし、またもファイモニ勢の敗退。 残すはウィドゥ・狗神組対石川・吉澤組の一戦のみとなった。 (21分58秒、小包固め) 第3試合 ブラック・ウィドゥ&狗神 こずえ VS 石川 梨華&吉澤 ひとみ 頭突き、クロー攻撃、ナックルといったラフ技でヒールらしさをまじまじと見せるウィドゥ。石川・吉澤も 負けてはいないが、交代後の狗神のペースへと徐々に引きずり込まれ、またもファイモニチームに不穏な空気が 漂いはじめる。 中盤に入ると石川も調子を取り戻しはじめる。反則攻撃を浴びせられながらもスピーディーな連繋技でそれに 対抗する石川。そして12分、石川得意のエクスプロイダーを炸裂。これにタッチをするかしないか躊躇している ウィドゥへ、再び石川エクスプロイダー。「今度こそは」とファイモニ勢を応援する歓声が一段と高まった。 続く吉澤も狗神へSTO、垂直落下式バックドロップを決めて、尚もファイモにチームの優勢かに見えたが、 狗神もスパイラルボムでフォールに迫る。まだまだ勝負は見えてこないが、この後吉澤が、シングルでカーゴに 勝負を決めたタワーハッカーボムを炸裂。これが決まったかに見えたが、狗神がカウント3寸前で間に合う。 思わずため息が漏れた観客の声援。 しかしここから吉澤がジャンピングフロントハイキックを3連発。万全の態勢でフォールし、ファイモニ勢の 3カウントをこの日と待っていたファンがカウントを大熱唱。しかしこれも僅かながらカウント2で間に合う。 簡単に負けるわけにはいかないというELF軍の気迫も見て取れる。 ここから何かが目覚めたのか、狗神がローリングソバットのコンビネーションから必殺のドラゴンスープレックス、 更にスパイラルボム、串刺しDDT→チョークスリーパー。尚も手を止めない狗神、串刺しDDT→ジャーマン スープレックスでダメ押しのピンフォール。チームレギオンが有言実行の底力を見せた。 (17分29秒、ジャーマンスープレックス) 「男なんだから女には絶対勝てる」と以前豪語していたイチ・ヒロ子であったが、予選Aブロックの結果を見て その自信はどこへやら、試合の方も今一つ調子が出せないまま今井のペースへ。 辻もARISAのペースに押され気味の状況。開始6分でワイルドボムホイップ→ダイビングボディアタックを 決められる。 エルボーの連打やマッドスプラッシュでなんとかペースを取り戻しにいきたいイチ・ヒロ子だが、一刻も油断は 許されない状況。今井のキック攻撃には同じくキックで対抗し、サブミッションも同じくサブミッション技で 反撃するが、ランニングパワーボムを決められてフィニッシュ寸前の状態。 その後にARISAへバックを取り返しての裏DDT、高速バックドロップ、ナガタロックU、ムーンサルト ニープレス(にしたかった)、アックスボンバー2連発→ドラゴンスリーパーと本来の持ち味を発揮するが、 時既に遅し、その後のジャンピングボムを辛うじて片腕だけ上げて返すという危機に。 交代後の辻も怒涛の反撃を展開するも、3カウントの領域に届かず、最後はランニングパワーボムを決めての サンダーファイヤーパワーボムから再度繰り出したランニングパワーボムで、今井・ARISA組が一戦を突破し、 ELF軍に勝負することとなった。 (22分02秒、ランニングパワーボム) ―予選Bブロックもファイモニチームが全て敗退、そしてイチ・ヒロ子組も今井組に敗退となりましたが、 悔しいという気持ちはお変わりありませんか。 イチ・ヒロ子「いや、今回は勝てそうな試合もあったからまだまだ納得はいくよ。能力的な差もまだ少し あったようだから。今井とARISAの強さはねえ、もう女を超えてるよ。男の俺でも勝てない位だから。」 ―ファイモニの選手達からはなにかこの結果にコメントを残していますか。 イチ・ヒロ子「勝てなくて悔しい、って人もいれば勝てなくてもいい試合が出来て良かった、って人もいるね。 それを考えれば課題もある分、この興行も失敗では無かったのかなあって少し安心もあるし。」 ―ウィドゥ・狗神組との直接対決というのは、イチ・ヒロ子選手ご本人の希望で実現させたいという想いは ございますか。 イチ・ヒロ子「うんやっぱりあるね。誰が本当に強いのかっていうのをもう少しハッキリさせたいのもあるし。 希望する相手がどんな相手でも、いつなんときでも闘う準備は出来てるから。」 |