新抗争劇 第2弾
5.15行楽園ホール大会「後藤&吉澤組」対「加護&辻組」

後藤の宣戦布告後、加護・辻との初めての因縁対決となった今大会。

試合前日から激しいスパーリングをして、この試合への秘めたる闘志が目に見える、
入場シーンでの後藤の表情。
そして静かな目でリングの方向を見つめながら、吉澤が後藤の後に続く。セコンドには、3日後の大会で
2人のパートナーを務める石川が就き、穏やかな面持ちで2人にアドバイスを送る。

しかしそれに対し、加護と辻は試合前の控え室ではバラエティー番組収録の「ネタ合わせ」を行っているという、
余裕っぷり。そこに「怒る後藤」への重圧さは、全く感じられなかった。
花道を歩く時にもなにやらぺチャぺチャ話をしている様子。
あまりにも緊張感の無い、この2人に対して、後藤の憤りは募る一方である。

そして加護・辻、セコンドの矢口とミカがリングインすると、早速後藤がマイクを握って、加護の前に駆け寄る。
後藤「あのさー、ねー?これは子供のやる遊びとはちがうんだからさぁー。もっと緊張感を持ってぇー、
真剣に試合をやってもらいたいのぉー。ねー、これがお姉ちゃんからの忠告よー。」

この発言を受けて、加護と辻の表情から笑みが消えた。そして後藤が体が触れるぐらいにさらに接近して、
加護の胸のあたりを軽く押した。後藤が張り手を見舞うかと思いきや、加護がモンゴリアンチョップで先制攻撃。
そしていつの間にか背後を取った辻が、羽交い締めにして加護がさらにチョップを浴びせていく。
チョップ連打後、地獄突きが決まって、後藤ダウン。

パートナー・吉澤は割り入ろうとせず、遠くからやや薄笑みを浮かべながら様子を見ている。
隣にいる石川も表情は変わらない。そのまま後藤が孤立無援の状態で、加護・辻は手を止めずに
次々と持ち技を繰り出していく。

加護が後藤をロープに振って、辻が抱きかかえてからの合体ダイヤモンドカッターを決める。
そしてその後すぐに、辻が後藤を立ち上がらせて、加護のサポートが入ったチャッキリドライバーを炸裂させる。
ここで見るに見かねた吉澤がようやく助けに入る。そこでゴングが鳴り、正式に試合開始。

それぞれのチームの一人がエプロンへ待機したところで、場外にいた安倍が後藤に向けて、マイクを取った。
安倍「ごっちんさぁー、加護と辻はまだ幼いんだからさー、ちょっとぐらいの許してやっていーじゃーん。
頭に血が昇っちゃうとくたびれちゃうべさー・・・。」


それを聞いた後藤は、安倍をただじっと見つめている。なにかを言い出すかと思ったら、後藤は
リング下に降りる。安倍となにやら会話をしていたようだが、どんな内容だったのだろうか。
女性同士での悩みごとを相談している場面を見ていたような一場面だった。

音沙汰が無かったように、後藤がそのうちリング内に戻る。ここからようやく本当の試合開始である。

腕の取り合い、グラウンドでのバックの取り合いなど、オーソドックスで速やかな動きを見せていく両雄。
ローリングソバットを決めて加護がダウンし、後藤から吉澤へ主導権を変える。
加護も辻にバトンタッチ。お互いの選手が入れ替わってもう一度気を取り直す。

安定したレスリングの攻防が続き、これといった大技が出ないまま開始時間から5分が経過する。
開始後7分。吉澤が辻を肩車しておいて、後藤がミサイルキックを放つ。そして吉澤が相手コーナーの
加護を場外へ蹴散らす。ここから一気に優勢な状況へ持って行く。

ブレーンバスターの持ち上げからツープラトンのデスバレーボム。相手が攻め入る隙を与えずに、
今度は吉澤パワーボム&後藤ダイビングネックブリーカーの合体技。相手になにもやらせないまま
フィニッシュを狙っていき、辻が懸命にカウント2.9で返す。

ぴったりと息の合ったコンビネーションをみせる後藤・吉澤組。加護・辻もチームワークなら負けないものの、
技の説得力、鋭さでは一歩劣っている。加護にカットを一切入れさせずに、
12分58秒、吉澤がセカンドロープからの滞空式パワーボムで辻を沈め、圧勝。
因縁マッチ第一戦は、後藤チームに軍配が上がった。


〜試合後インタビュー〜

後藤「とりあえず今回は、自分達の強さを見せつけられたんで。
次の試合も、チームワークで負けないようにね、やっていけたらなーと。」


吉澤「辻ちゃん加護ちゃんも練習のときに一生懸命やっているからね。
私は友好的にやっていこうと思うし、ごっちんと共に闘っていい結果を出して、
新しいものを切り開いていければなと。」


加護「えっとぉー、こんかいはまけちゃったけどぉー。つぎはいっしょうけんめーやるんで、
がんっ、ばりっ、ますっ。」


辻「辻はぁー、きょうはなんにもできなかったんでぇ。つぎのしあいはかちたいですっ。」