GRANDPRIX '2002

−オリジナル編・予選Bブロック−



〜第4試合〜
SAORI VS 宇働 光


優勝候補SAORIとシード獲得戦で圧倒的な強さを見せた宇働の対決。それだけにこの試合、今までとは違った緊張感が会場を包みます。そんな中、開始直後ブレーンバスターを狙いにいった宇働、これはSAORIが切り返し、逆にドラゴンスクリューを決められます。

相手の出方を伺うように間合いを取り合う両者、しかし組み合えば序盤からダメージ狙いの技を仕掛けまいとします。2分台にSAORIが足掛け延髄斬り。ドラゴンスクリュー、膝十字固めなど脚への攻めも展開します。

ここまで少し押され気味だった宇働も、緊張を解すようにエルボースタンプからスリーパーホールドへの連繋を軸に攻めます。この試合、最初の大技は開始8分、宇働のピースクラッシャー。これに応えるようにSAORIも、足掛け延髄斬りからバックドロップホールドに繋ぎます。

そして10分台にSAORIのエクスプロイダー、11分に宇働のピースクラッシャー、11分台に再びSAORIがエクスプロイダー、両者譲りません。SAORIがコーナーへ逆さ吊りのミドルキック連打を見舞えば、宇働もすぐさまコーナーへ打ちつけての串刺しニーリフト。「やられたらやり返す」の展開が続いていきます。


グラウンドにも定評のある宇働、裏足四の字固め、ストラングルホールドγでギブアップ狙いに。これにはさすがのSAORIも苦心の表情を浮かべます。これはなんとか逃げ切り、SAORIブリザードスープレックス。

これを2で返す宇働、ハイジャンプフェイスバスターから再び裏四の字へ。そしてSAORIのウラカン・ラナをエビ固めで丸め返し。これは冷静に見ていたSAORIが2で間に合います。

すると今度はSAORIが2発目のブリザードスープレックス。これまで投げ技を多く受けていたこともあって宇働、返すことができず3カウント。SAORI、苦戦を強いられながらも優勝候補の意地を見せました。

○SAORI  対  宇働 光×
(14分46秒、ブリザードスープレックス)




〜第5試合〜
火野 麗華 VS 天栗 秋子


顔面を破壊される前に勝負をつけたい火野、背後を取っての延髄ラリアットやハイアングルボディスラムを豪快に決めていき、3分台でダイビングギロチンドロップを狙いますが、これは誤爆。冷静な天栗は拷問逆方エビ、顔面掻きむしりなど顔への攻めに徹します。

顔面への相次ぐ攻撃に遂に怒りをあらわにしたか、火野が5分台に「レイカキューション(ジョンスパイク)」を炸裂します。

天栗が放り投げリストアップスラムを決めるも、火に油を注ぐ形となって火野がフルネルソンバスター、スリーパースープレックス。

ダメージの響く天栗に再びバックを取ると、今度はなんと「シャイニングトルネード(タワーハッカーボム)」を2連発。この凄まじい猛攻を喰らっても、天栗は拷問式コブラツイストでまたしても顔面狙い、自分のプロレスを貫きます。


肩掴み延髄斬りを喰らい悶絶する天栗ですが、ここからはカベルナリアなどグラウンドのレスリングにスタイルを変えて、怒りを静めさせようとします。一旦は冷静さを取り戻したかに見えましたが、すでに勝利は目に見えている火野、9分にSCスタナーを決めて再び場内が揺れ動きます。

この攻撃で万事休すか、天栗のカウンターナックルパートも空を切り、組みつくも技へ持っていけずにフォールされて、3カウント。墓穴を掘った天栗、小倉あんとの対決は自ら打ち砕く形となってしまいました。

○火野 麗華  対  天栗 秋子×
(10分31秒、両手押さえフォール)




〜第6試合〜
小倉 あん VS 大舞 慈美


予選最後の一戦は、お互いがオーソドックスなレスリングを展開。開始3分に小倉が慈美への敬意を表すように、卍固めを決めにかかります。そしてリバース水車落とし、正面飛びドロップキックと繋いで再び卍固めへ。

このままじっくりと古典的レスリングが続くかに見えましたが、その直後小倉がスーパーキックからフィニッシュホールドのドラゴンスリーパーへ。状況が一変します。

これに少々戸惑い気味の慈美ですが、串刺し背面エルボーから弓矢固め、バックフリップからセントーンへと繋ぎ応戦します。さらに2度目の背面エルボーからダイビングニードロップ。しかし起き上がった小倉も2発目のスーパーキック。

接戦の中、今度は慈美が小倉をコーナーポストに登らせ雪崩式の体勢。そしてここ一番の大技、雪崩式後方回転エビ固めが見事に決まり、カウント2.9。さらにペンデュラムバックブリーカーからミサイルキック、得意の連繋も披露します。

この勢いに押されず小倉もヘッドドロップ2連発、そしてロープワークからのジャンピングエルボーも2連続で決めて、得意の「アンコロボム(高角度パワーボム)」へ。キャリアの差を感じさせない、互角な闘いを繰り広げます。

アンコロボムを喰らいつつ先に起き上がる慈美、飛びつき逆十字でギブアップを迫り、この後もキーロック、足掛け腕固めと腕への攻撃に狙いを定めます。


小倉もこれにタップすることなく雪崩式ブレーンバスター、そして左右のコーナーで串刺しジャンピングエルボーを決めてフィニッシュに取りかかります。

ここからアンくるっとホールドに繋ぎたいところですが、バック取りを狙い過ぎたのが裏目に出て、逆に慈美にバックを取られて「古典式原爆固め(元祖ジャーマンスープレックス)」を決められ3カウント。

最後に若さゆえの焦りが出てしまったか、先輩からの勝利を後一歩で落としました。

×小倉 あん  対  大舞 慈美○
(13分09秒、古典式原爆固め)



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