第2章・激化狂乱編

〜予選リーグ3日目・Aブロック〜


3日目の試合模様を紹介するその前に、先日行なわれたパロXオーナーの
記者会見の模様をお伝えする。

会見の内容は、もちろん春日鏡子(AD!所属)に関する話題である。
鏡子から飲み屋に誘われ、一夜をともに過ごしたオーナー・イチヒロ。
そして悪酔いする前に強引にその場を脱出したオーナーであったが、
その後にとんでもない事実が隠されていた!?

オーナー:
「パロジェクトXはエッチプロレス団体じゃないので、このまま無かったことに
しようかとも思ったんですが、全て話した方が後々にいいんじゃないかと思いまして、
この場を借りて、皆様にお伝えいたします。

実はあの晩、飲み屋から出ようとした途端、急に睡魔に襲われまして。
あとから飲んだカクテルに目薬入ってたことがわかったんですが。
そして送り迎えの車の後席で、そのままぐっすりと眠ってしまいました。

その時に僕は、こんな恐ろしい夢を見てしまいました。
自分がホテルの部屋のベッドで目を覚ますんです。

あれ、おかしいなと思って辺りを見回したら、隣のベッドであの人が眠っているんです。
僕もその人も、服を脱いでいて・・・。これはやばい!と思ってその人が起きる前に、
電話でうちの団体へ連絡して、島二郎に駈けつけてもらったというところで、
本当の目を覚ましました。

もう、これ以上の関わりはできません。これからもあの人から
なにかあるんじゃないかと思うと、ゾクゾクして試合会場にも見に行けません。」

もはやこれは人事ではない。パロジェクトXの名誉と危機に関わる大問題である。
会見終了後にオーナーがクスクス笑っている様に見えたのは、気のせいだろうか。
それはよしとしてそれから3日後、オーナーの不安は的中した。

以下の資料提供:あさと(ASサクッチ)氏

大会の開催で多忙のイチヒロオーナー。しかし、今大会ではそのイチヒロオーナーを
悩ませる事件が次々と起こっている。

毎日のように届く花束(パチンコ店風)とポストカード(年賀状から残暑見舞いまで)、
さらにチョコレートや手編みのマフラー(1/144サイズ)、etc...
 さらに、パロジェクトXの会場では、影からオーナーを見つめる不審な人物の姿が
目撃されていたのであった。

我々取材班は、その不審な人物との接触に成功した。



アナ「一体そこでなにをしているんです?」
???「ギクッ。」
アナ「あれ? あなた、どこが見た事があるような・・・・」
???「あ、あたしはWGLのシャ、シャッフルさんです! お忍びでウェルガさんの応援に……
SHE'S COMING!」
アナ「そうは見えませんが…。 本当にシャッフルさんですかぁ?」
???「も、もちろんです。JG社長に聞いてもらえれば・・・。ではそういう事で、SHE'S COMING!」



毎日のようにオーナーに届けられる贈り物の数々。
返事を出さなかったイチヒロオーナーだったが、ある日を境にパッタリと途絶えてしまった。
そしてその翌々日、1通のポストカードが届いた。その恐るべき内容とはッ!?


『予選リーグ最終日、春日鏡子vsウェルガ戦をベストバウトにしろ!
さもなくば、月に代わって折檻だ。ヨガ〜』


大会運営の激務に加え、謎のストーカーの出現によって気が休まる事のないイチヒロオーナー。
鏡子はそんなオーナーをやさしく包み込むような愛で慰めようと考える。



次回 華王〜愛の劇場〜 第2幕・激化狂乱編
 『鏡子の告白』
  恋の駆け引きは猪突猛進
  夢は現に…Fat?の嵐


お楽しみに!


強引気味でなんだが、試合模様に移るとしよう・・・。

第1試合 エム・サキッチョ VS 春日 鏡子

前回、中盤以降思ったように試合を進められなかった鏡子だが、今回は違った。エムの荒っぽい攻めパターンもなんのその、これまで以上にFat?ストンピングを連打で決めていく。

前回「Fat?コール」が巻き起こった会場も、鏡子の激しさに驚いた様子。

積極的に技を繰り出す鏡子。チンクラッシャー、ショルダーアームブリーカーと有効に繋ぎ、5分台では強烈なコーナーヒップドロップも決めた。




エムの逆エビ固めで苦しい表情を浮かべた鏡子だが、6分台では袈裟斬りチョップの連打。自分の力を100%出し切っていると見ていいだろう。

鏡子の勢いに負けじと、エムもその後シークレット・フェース2発目を敢行。バックを取るが鏡子がアームロックで切り返し、2度目も同じくアームロックで阻止。ここから激しい試合展開に。

鏡子のショルダータックルからのフォールがカウント2.89。念願の初勝利も目に見えてきた。そして10分を過ぎるとデブインを2発決める。




エムも串刺しDDT、3発目のシークレット・フェースで逆襲。万全の態勢でフォールするが、鏡子がカウント2.999というぐらいギリギリで間に合わせる。

そして低空ドロップキックや袈裟斬り連打から鎌固めに何度も持っていき、エムにタップを迫り続ける鏡子。鏡子の頑張りに刺激されたのか、エムもレフェリーストップ寸前となってもタップせず。

そして技が振り解かれるとエムが一気に攻め込む。カウンターからのバカヤローラリアット。中指を立ててから走りこんでの喧嘩キック。ここからのフォールで3カウントが入った。この試合で再び鏡子が好勝負を繰り広げた。



○エム・サキッチョ  対  春日 鏡子×
(15分38秒、喧嘩キック→両手押さえフォール)

獲得ポイント:1538pt 累計ポイント:2589pt



第2試合 ウナラ ヒカル VS 保田 圭

連勝対決となるこの試合。開始3分が過ぎようというところで保田が早くもローリングエルボー。ここから保田が一歩リードを取り始める。

ウナラも遅れを取り戻そうと、ランニングネックブリーカー、テキサススープレックスを決めるが、4分台で保田に地獄バックドロップで手痛い追加攻撃。


さらに5分台、保田が垂直落下式リバースDDT。ウナラもコーナーでの胸張り手連打、串刺しジャンピングニーなど趣向を凝らして反撃するが、7分で保田、アレビンズ・リフトからSTFへ繋ぎ大きなチャンス。

その後もこれでもかと腕殺しコンビネーションを連発。ビクトル腕十字やチキンウイングフェイスロックへ繋ぎ、何度もギブアップの危機を与えさせる。




サンダーファイヤーパワーボムは2で返したウナラ。ここからジャンピングハイキックで反撃。ジャイアントスイング、逆さ押さえ込みもこなし、技への意欲も燃やす。

そして大会2発目となる王道マチック。地獄バックドロップを喰らうもすぐに立ち上がり、首を掻っ切るアピールからぶっこ抜きバックドロップへ。

しかしまだまだ保田には余力が残っている。大技ラッシュを耐え抜いてのサンダーファイヤーパワーボムで、ピンフォールを奪った。Aブロックは保田が独走体勢か!?



×ウナラ ヒカル  対  保田 圭○
(15分39秒、サンダーファイヤーパワーボム)

獲得ポイント:1539pt 累計ポイント:4399pt



第3試合 中根 美宇 VS ウェルガ

ここで白星が欲しいウェルガ。対する美宇も、優勝戦線に絡むためにここは落とせない。

やはり序盤から大技狙いのウェルガ。引き倒しラリアットはかわされるが、その後1分台でリバースツームストンパイルドライバーを繰り出す。「今日は勝つんだ」という意欲が伝わってくる。


美宇も膝十字固めを何度も狙い、開始3分顔面ニーリフトからSTFへ。そして6分台にコーナー串刺しでのパンチラッシュから、ダイビングエルボー。

さらにそこから必殺・入魂パワーボムを決められ、あわや分殺されるという厳しい状況のウェルガ。美宇がパイルドライバーからスクールボーイで再びフォールへ。




8分でウェルガ、カウンターからのデッド・ロードを決め反撃への足踏み。美宇がボムアピールでフィニッシュ宣言するが、急降下バックドロップ、2発目のデッド・ロード→ドラゴンスープレックスでウェルガが逆転まで後一歩。

しかしフォールを返した美宇が先に起き上がり、これから立ち上がるというウェルガへ入魂パワーボムを決めつけ逆にフォールし、ピン。この試合も惜しいところでウェルガが3カウントを許した。

3日目を終え、高ポイントを獲得しながら首位を驀進する保田。その下でほぼ同率で並ぶエム、ウナラ、美宇。ベストバウト候補である鏡子の存在も忘れてはならない。Aブロック、最後まで全く目が離せなくなりそうだ。




○中根 美宇  対  ウェルガ×
(11分41秒、入魂パワーボム)

獲得ポイント:1141pt 累計ポイント:2788pt


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