第2章・激化狂乱編

〜予選リーグ4日目・Aブロック〜


第1試合 エム・サキッチョ VS ウェルガ

お互いヒール同士ということもあって、序盤からナックルの打ち合い、引っ掻き合い、コーナーへのぶつけ合いなど荒々しい駆け引きを展開する。

開始2分、エムがモンゴリアンチョップを繰り出せばウェルガがロープに振ってのブレイジングチョップで押し返し、相手にペースを握らせない。




手数ではエムが一歩リードか。ヘッドロックパンチや至近距離からの叩きつけラリアット連打。4分台ではエムの隠れた極め技である卍固めががっちりと入る。

ストマッククラッシャー、アトミックドロップなど一発に重みのある力技でウェルガが対抗するが、エムにリング内外で両手を上げて挑発され、7分台にジャーマンホイップを喰らって大ダメージ。

その後もエムが前回同様、フォールに行かず頭突き、ヘッドドロップなどのラフ技でもてあそぶ。



怒り心頭のウェルガ、8分の終わり際でリバースツームストン→鎌固め、9分台に必殺デッド・ロード。

さらにレッグスピンやジャパニーズレッグロールクラッチといったテクニカルな一面も見せてフォールを迫るウェルガだが、ピンには後一歩届かず。

エムはこれといった大技を出さぬまま、腹部へのトーキックから強引にフォールし、3カウントが入った。



○エム・サキッチョ  対  ウェルガ×
(11分50秒、両手押さえフォール)

獲得ポイント:1150pt 累計ポイント:3739pt



第2試合 ウナラ ヒカル VS 春日 鏡子

これまでそれぞれがそれぞれの持ち味を存分に発揮しており、琉球。オーナー垂涎のこの一番。

どちらも女子プロでは数少ないスーパーヘビー級の選手。エルボーにしてもチョップにしても、重量感に溢れている。

前半は鏡子が快調なペース。ボディスラムやチンクラッシャーからFat?ストンピングへ効率良く繋いでいく。ウナラもカウンター逆水平、ジャイアントキック、ヤシの実割りで王道らしさ全開。




先に大技を仕掛けたのは鏡子。開始6分で袈裟斬りチョップのラッシュ。そして7分台にはデブインも。しかしこれを喰らってすぐ起き上がったウナラ、入魂パワーボムで形勢逆転。

しかしこれを2で返すと先に起き上がる鏡子が、鎌固めで再びウナラに攻め込む。これが解かれると、なんとウナラがまたしても入魂パワーボムで逆襲。さらにそこから王道マチックも決まる。

再び激しい試合を見せてくれる鏡子。ベストバウト賞獲得への想いは半端なものではない。




さすがにウナラの大技ラッシュには鏡子もまいったか、これ以降ウナラのペースが続いていく。

先ほどの激しさとは対照的にスピニングトーホールドで地味にじわじわ体力を削っていき、首を掻っ切るアピールからジャイアントスイング。

これで半ば失神状態の鏡子。このままウナラが3度目の入魂パワーボムへ繋ぎ、3カウントを鳴らした。エムとともに3勝目を上げたウナラ、この後の「美宇vs保田」の試合結果を見守る形となる。

○ウナラ ヒカル  対  春日 鏡子×
(10分51秒、入魂パワーボム)

獲得ポイント:1051pt 累計ポイント:3365pt



第3試合 中根 美宇 VS 保田 圭

この試合の結果によって、今後のAブロック戦線は大きく分かれる。保田が勝てば独占状態で決勝進出入りがほぼ確定。美宇が勝てば3勝1敗が4人並ぶという激しい混戦が待ち受ける。

試合序盤から保田が腕を攻めまくる。ジャンピングアームブリーカー、カウンターからの脇固め。そして各種投げからチキンウイングアームロックに繋ぎ、美宇のパワー殺法を封じる。




対する美宇も、腕ひしぎ逆十字でやり返して精神的ダメージを誘うが、3分台にローリングエルボーを浴びせられ、不穏な空気が漂い始める。

開始5分、保田が地獄バックドロップ。すでに大技のラッシュの準備が整っていた。しかし美宇も負けていない。

パイルドライバーからフェイスクラッシャー、もう一度パイルドライバー、コーナーでのストンピング連打、さらに3発目のパイルドライバーから腕ひしぎという凄まじいラッシュが。




保田にアレビンズリフト→STFを決められ再びピンチに見舞われる美宇だが、彼女のガッツは凄まじかった。この後大会2度目の雪崩式場外フランケンシュタイナーを玉砕覚悟で決めると、場外ではボムアピールも見せ会場大盛り上がり。

場内に戻れば保田に各種サブミッションでタップを迫られ続け、完全に腕が垂れ下がった状態にまで追い込まれるが、もろともせず入魂パワーボム、浴びせ倒しラリアットを決めつける美宇。

試合時間は15分を軽く超え、保田ワールドが展開される中、最後の最後で優位に立ったのは美宇だった。STF、串刺しエルボーバット→ダイビングエルボー、捻り式ベリートゥーベリーと繋いで、遂にピンフォールを決めた。

保田の独走体勢を止めて自ら首位に立った美宇。ここから4強の激しい決勝進出得点争いが幕を開ける。





○中根 美宇  対  保田 圭×
(16分43秒、捻り式ベリー・トゥー・ベリー→両手押さえフォール)

獲得ポイント:1643pt 累計ポイント:4431pt


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