第3章・天地迷動編

〜決勝トーナメント〜



−準決勝Aブロック−
凄井 宇座子 VS 二代目浦見 魔寿代


軍プロの初参戦以降、パロX交流戦の歴史を物語ってきた「軍プロvs武者逝」。これまでの大会で全て準決勝以上の成績を残している軍プロが、今回も決勝トーナメント進出を果たし武者逝と準決勝戦で激突。

この試合、序盤から一気に勢いで押していく浦見、不意打ちとも取れる1分半でのデスカッションパンチを強烈に決めその後もストマッククラッシャーから三角絞め、走り込んでの喧嘩キックなどハイペース。予選リーグと違い試合時間を気にすることなくパワーとラフで強引に宇座子を攻め込んでいきます。

予想に反し苦しい状態が続く宇座子、3分終了間際にはSCスタナーも決められ、5分にはコーナー逆さ吊りでのミドルキック連打を浴びる屈辱を味わいます。中技の繋ぎ、バックの取り返しなど必死に抵抗しますが、フック掌底はかすり、逆にバックを取り返されてコブラホールドを決められるなどなかなか思うように試合は進みません。

このまま浦見が勝利をかっさらうのか。パロXファンは不安の色は隠せませんが、終盤の8分からようやく宇座子がキャプチュードを決め反撃を開始します。その後SCスタナーを喰らいつつもこんぴら山ジャーマンでフォール。アッパーで再びダウンさせられるも2度目のキャプチュードからチキンウイングアームロックに捕らえパロXファンの観客に応えます。

しかし、どんな技を喰らっても立ち上がり反撃する浦見も、ここからディスカッションパンチを決めエビ固めへ。リングの下隅だったためカウント2で宇座子が逃げ延びますが、中央で決まっていれば即ピンフォールの危機だったかもしれません。武者逝の意地に賭け、劣勢側の宇座子が3度目のキャプチュード。

そしてバックを取りこの日2発目のこんぴら山ジャーマンへ。これは惜しくもカウント2.9。ここで宇座子が燃え尽きたのか、浦見が立ち上がるも自らはダウンの状態。浦見がこれに両手中指立てで観客を煽ると、ロープ付近の宇座子を中央へ寄せエビ固めの体勢へ。技を決めた方に関わらずカウントを迫られる宇座子、結局ここで肩を上げることなく3カウントが入ってしまい、浦見の決勝進出。全勝優勝だけを考えてここまで来た宇座子、野望はもろくも崩れ去りました。

×凄井 宇座子  対  二代目浦見 魔寿代○
(12分13秒、エビ固め)




−準決勝Bブロック−
ブルー・ノイズ VS ツジちゃん


先程の宇座子とは対照的に、この試合序盤を有利に進めるツジちゃん。派閥は違えども同じ団体ということもあってか、宇座子の借りを返すようにブルーへと攻め込んでいきます。サイキックで脚を重点的に攻めブルーの蹴り技を封じ、中盤に入ると各種中技やローリングセントーン後にクルックヘッドシザースへ捕らえスタミナを削ります。

ブルーもサミングやサイクロンホイップ、カウンターでの一回転ドロップキックを決めていきますが、スタートダッシュというお株を取られ自分のペースに持っていけません。この後ハイジャンプフェイスバスターを3発も決めたツジちゃん、開始8分にはファイヤーバードスプラッシュでフォールへ。

フロントスープレックスホイップで逆に場外へ投げ飛ばされますが、ペースを崩すことなく試合は進みハイジャンプフェイスバスターからのラ・マヒストラル、セイバーアタックからの四の字ジャックナイフ固めと繋ぎ、3カウント。予選での大空戦を逆手に取ったような闘いでAliceの強豪・ブルーを抑え、決勝進出入りを果たしました。

×ブルー・ノイズ  対  ツジちゃん○
(10分11秒、四の字ジャックナイフ固め)




−決勝戦−
二代目浦見 魔寿代 VS ツジちゃん


これも運命が導いたのか、これまでの大会の決勝戦と同じ「軍プロvsパロX」という顔合わせになった今大会決勝戦。開始直後ナックルを連発する浦見に対し、ツジちゃんは腕へのエルボースタンプ。こういった展開がこの後も続いていき、それぞれ意地を張り合います。

ラフにも趣向を凝らす浦見、コーナーへ寄せ顔面ウォッシュ、そして馬乗りナックル連打。スタンディングに戻るとボディブローの連打で再びダウンさせ、得意の片羽締めへ。準決勝同様、一気に攻め込みます。ここからツジちゃんも反撃。ステップキック、腕殺しコンビネーション、2度目のステップキックと得意の中技ラッシュ。そして唐竹割りからサマーソルトドロップを成功させます。

クルックヘッドシザースでツジちゃんがグラウンドに持ち込むと、浦見も振り解いて胴絞めフロントネックロックへ。この後も技の掛け合いが続き、ツジちゃんの二段蹴りに浦見がフェイスクラッシャー、クアラッシュ、片羽締め、胴絞めネックロックと繋ぎツジちゃんもハイジャンプフェイスバスター。そこからのブファドーラは狙いを外してしまいますが、これに留まらずチャッキリストレッチU(首極め腕卍)を決め、開始7分ファイヤーバードスプラッシュ。

そして浦見を場外に投げ落とすと、ロープワークで助走を付けて、滅多に見せない切り札技のハヤテスペシャル2号敢行。マスコミでは浦見有利とされていたものの押さえる所は押さえるツジちゃん、いつもとはやる気が違います。場外マットではハイジャンプフェイスバスターも決め、優勝の2文字も見えてきたツジちゃん。

場内に戻り、尻叩きポーズからラ・マヒストラルでフィニッシュへ。これは浦見が2で間に合わせると、これまでのお返しだと必殺・恨み顔面砕き敢行。そしてそのまま片羽締めへ。この反撃により勝負はイーブンに戻ります。この後アッパーをヒットさせ再び片羽締めに捕らえる浦見、さらに裏拳一発でツジちゃんを場外へ吹っ飛ばすという凄まじさを発揮。

この一撃でツジちゃんが一瞬、意識を失いかけますが場内に戻れば元祖フランケンシュタイナーで反撃。顔面砕きを狙う浦見をショルダースルーで切り返し、クルックヘッドシザースでギブアップを迫ります。しかしこの後、ハンマースローから叩きつけラリアットをもろに喰らい、完全にダウン。これに浦見中指を立ててフィニッシュか、エビ固めでフォールへ。これはなんとかツジちゃんが2.9で間に合わせます。

これからいよいよ最後の追い込み。これまでの華王の決勝戦と同様、観客のボルテージは最高潮となったこの闘い。パロXが主催者団体の意地でこの大会も優勝を掴むのか、それとも宿命のライバル・軍プロが、この大会で遂にパロX勢の全てを打ちのめし、念願の初優勝を果たすのか。

開始から11分、ツジちゃんがセイバーアタックからランニングのセントーン。これに浦見がナックルパート、ボディブロー連打から両手を挙げて観客を挑発。コーナーへ登りダイビングのニードロップ。が、立ち上がったツジちゃんがハイジャンプフェイスバスターからバックを取り、フィニッシュホールド・チャッキリドライバー(ゆきぐにドライバーβ)。これまで温めてきたこの必殺技の封印を解き放ち、最後のフォールに賭けます。

そして遂にカウント3のゴングが。パロXファンの観客が総立ちして揺れる会場。ツジちゃんは尻を叩いて相変わらずの表情ですが、ファイモニの面目を守り頼もしい笑顔。セコンドのファイモニメンバーが全員集まり彼女を胴上げし、最後まで死力を尽くして闘った相手・浦見とも握手を交わし、激闘を繰り広げた好敵手を讃えます。今回の「華王〜愛の激情〜」も、感動が会場を温かく包み込んでのフィナーレを飾ることが出来ました。

×二代目浦見 魔寿代  対  ツジちゃん○
(12分38秒、チャッキリドライバー)

ツジちゃんが
「華王〜愛の激情〜第3章・天地迷動編」を制覇。


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