第5章・唯我毒尊編

〜予選リーグ初日・Aブロック〜




−第1試合−
(150pt) 桃見 美香 VS スティーブ・レイナ (100pt)


前半はお互い、至って慎重な試合運び。序盤はボディスラム、スイングネックブリーカーなど基本に忠実な技を使い手数で上回るレイナに対し、桃見はフロントスープレックスホイップ、極楽固めなど説得力のある技を中盤で連続で決め、五分を保ちます。場外戦を挟んだ開始9分、レイナがロープへ走り込んでの「野川モットバカー!ST0(浴びせ倒しラリアット)」敢行。この一発で会場の空気を一変させるレイナですが、先に起き上がった桃見、すかさずレイナのバックを取るとドラゴンスープレックスホイップで逆襲。

更にロープワークから一回転ドロップキックをヒットさせ、ランニングのギロチンドロップ。一時のチャンスを逃したレイナもここからコブラクローでラフに持ち込み場外戦へ移すとバックを取りますが、カンガルーキックで阻止した桃見が自らバックを取り、場外マットでドラゴンスープレックスホイップ。致命的なダメージを負わせます。しかしレイナも屈せず、ショートエルボーで桃見を倒していき、両手を叩いて健在をアピール。両者が場内に戻ります。

場内戦に移ると、まずは両者のドロップキックが交錯。その後桃見がスイングネックブリーカーに持ち込みますが、ハンマースローはレイナが振り返し、走り込んで「リキマルーラリアット!(ラリアット)」。手応えを感じたか、ランニングエルボードロップの追い打ちからカバーへ。ここはなんとか桃見が2で持ち堪えます。ペースを奪われぬうちに勝利を掴みたいレイナ、起き上がるとすぐさまフィッシャーマンズスープレックスで再度フォール。

これも2で間に合わせた桃見、追い込まれる立場ながら大技は幾度と出しているだけに、勝負を諦めたくありません。この後サイクロンホイップで一旦体勢を整えると、至近距離から一回転ドロップキック。ここから組みにいくと思いきや低空ドロップキックで再び倒していき、バック取りへ。しかしこれはエルボーで阻止するレイナ、顔を抑える桃見の顎先めがけて切れ味鋭いトラースキック。完璧な形でヒットさせ勝利を確信したか、そのままフォールへ。するとここで3カウントが入り、ピンフォール。危険な場面はありつつも序盤からフィニッシュまで安定した試合運びを見せたレイナ、まずは快調なスタートを切りました。

×桃見 美香  対  スティーブ・レイナ○
(13分20秒、トラースキック→片エビ固め)


獲得ポイント 累計ポイント
桃見 美香 1320pt 1470pt
スティーブ・レイナ 1820pt 1920pt




−第2試合−
(290pt) サラ・マクドゥガル VS ゴッツァン (80pt)


前大会で実現できなかった「萌えプロvsファイモニ」が今大会の初日で実現。サラの打撃ラッシュを警戒してか、序盤からハイスパートを切るのはゴッツァン。ハンマースローからの一回転ドロップキックはかわされるも、バックを取って低空抱え式バックドロップを決めていき、開始2分DDT。サラがステップキックに捕らえるも、高速ブレーンバスターからギロチンドロップと繋ぎ再びペースを奪うゴッツァン、この後も足掛け延髄、トラースキック、スパインバスターとテンポ良く技を運び、リードを握ります。

しかし直後にサラが大技・鎌本乱舞を突如として決め、馬乗りナックルアローで追い打ち。こういった怖さには気をつけなければいけないゴッツァンですが、組みつきを振り解くとセントーン・アトミコを敢行し、更に足掛け延髄斬りからジャパニーズレッグロールでフォールへ。開始6分台というところでゴッツァンがフィニッシュへ近付けます。そしてカチ上げエルボーでサラを再びダウンさせると、コーナーへ登り今度はムーンサルトプレス。逆襲を食う前に決着をつけまいとします。

この後も足掛け延髄で倒すと2度目のジャパニーズレッグロールに行き連続フォール。現在の試合時間は7分。10分以内での勝利は避けたいところですが、一時の油断が勝敗を左右するだけに受け手に回る余裕は無いか、このカバーを返されればもう一度足掛け延髄で倒し、間髪入れることなく3度目のジャパニーズレッグロールクラッチへ。体力的にはまだ余裕があるかに見えるサラですが、この相次ぐ丸め込み攻撃で精神的な余裕は尽きてしまったか、このカバーで3カウントを許してしまいまさかのピンフォール。予想外の短期決着勝利となってしまったゴッツァン、ポイントを稼ぐことは出来ませんでしたが、これも一つの大会へ対する意気込みの表れだったのでしょうか。

×サラ・マクドゥガル  対  ゴッツァン○
(7分38秒、ジャパニーズレッグロールクラッチ)


獲得ポイント 累計ポイント
サラ・マクドゥガル 1000pt 1290pt
ゴッツァン 1000pt 1080pt




−第3試合−
(290pt) ジェニー・エース VS メチャ・ハデーメン (50pt)


この試合も第1試合同様、比較的静かな攻防が続く前半戦。そんな中開始8分、ペンデュラムバックブリーカーからジャパニーズレッグロールで最初にフォールに行ったのはハデーメン。返されればもう一度バックブリーカーを決めコーナーに登り、ダイビングフットスタンプ。一旦は優勢となったハデーメンですが、その後「エースクラッシャー(ピースクラッシャー)」で反撃に出るジェニー。ロープへ振って浴びせ倒しラリアットも決めていき、2発目のエースクラッシャーへ。そこからカバーに入り、カウントを迫ります。

前半とは一変し、一気に終盤の様相を呈したこの闘い。ジェニーが指を回して観客の声援を集めると、バック取り。しかしこれはハデーメンが前方回転エビ固めで切り返しのフォール。3はなりませんがすぐさまペンデュラムバックブリーカーを決めておいてコーナーへ登り、ドルフィンポーズを見せておいてのミサイルキック。そこからスモールパッケージに捕らえて今度こそはと逆転勝利のフォールを狙います。これも3は取れませんでしたがペースを我が物にしつつあるハデーメン、その後も飛びつき後方回転エビ固め、ジャンピングネックブリーカーからのジャックナイフ固めと連続でフォール技に持ち込み、ピンフォールまで後一歩のところへ迫ります。

しかしまだ余力は残していたジェニー、この後エースクラッシャーで形勢を変え、バックを取ると必殺技のコブラクラッチスープレックス炸裂。勝負の展開は分からなくなります。猛反撃を食ったハデーメンもネックブリーカーですぐに持ち直し、バックから後方回転エビ固め。再びピンフォールを狙いますがこれも2で粘るジェニー、ハデーメンをロープに振ると、今度はエースクラッシャーをメキシカン式で敢行。そのままフォールに行きます。決まっておかしくない状況でしたがハデーメンが2で逃げ切り。

この後ジェニーは闘いを場外へ移すと、ラリアットアタックから場外マットでのパワーボムホイップ。意識をもうろうとさせながら立ち上がるハデーメンに手を振り上げ挑発するジェニー、先に場内へ戻りますが、ハデーメンがこの後の場内戦で蘇生。ペンデュラムバックブリーカーからコーナーへ登り、ドルフィンポーズ付きのミサイルキック。更に再びバックブリーカーを決めると、こちらも2連続のミサイルキック。ここで試合時間は15分を経過。まだまだ接戦は続いていきます。

この後ジェニーがパワーボムホイップで再び逆襲。そこからコーナーへ登り、先程のミサイルキックに対抗するかのようなダイビングラリアットを命中。更にもう一度パワーボムホイップを決めていけば再度ダイビングラリアットも打ち込んでいき、やられた分は全てやり返します。ネックブリーカーからジェニーがバックへ。フィニッシュを狙いますが一瞬の隙を突いてハデーメンが前方回転エビ固め。決まりは良かったですがリング下部だったためレフェリーの対応が遅れ、3カウントならず。運に助けられたジェニーがここから再び攻め込み、DDT、メキシカンエースクラッシャー、抱え式バックドロップ。

そこから最後の締めへ、と行きたかったところでしたがハデーメンのカニ挟みに足元をすくわれ、これをチャンスと見たハデーメンがバックを取ると、必殺「エレガント・コケティッシュ・ジャーマン(元祖ジャーマンスープレックス)」を炸裂。先程と同様、リング下部でのフォールだったものの、完璧なブリッジの前にジェニーの両肩は最後まで上がることなく、そのまま3カウントのゴング。どっちが決めてもおかしくない激闘の中、テクニックで一枚上回ったハデーメンが最後の最後で伝家の宝刀を抜いて、勝利を掴みました。

×ジェニー・エース  対  メチャ・ハデーメン○
(17分31秒、エレガント・コケティッシュ・ジャーマン)


獲得ポイント 累計ポイント
ジェニー・エース 1731pt 2021pt
メチャ・ハデーメン 2231pt 2281pt




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