第5章・唯我毒尊編

〜予選リーグ初日・Bブロック〜





<ヤハリ・ビールト・ジャガスキーの控え室>




ジャガスキー:
「(華王本戦の前座試合を終え)はーあなんだか本戦の前座試合じゃあ
やる気がでなかったわね。なんか自分が哀れに見えるようで。

試合後のビールも祖国のもんじゃなきゃー、なんかこう喉ごしが足んないし。
こうして食べてるウインナーも、どうもプリッ感が弱いのよね。」










―ドンドン。(ドアを叩く音)










ジャガスキー:
「はーいどなたー?インタビューと食事の誘いだったら受け付けないわよー。
あ、もしかしたらあのオンナかしら?」












『ミーシャ・フォーリー(nWQ)』


ジャガスキー:
「やあミーシャ。こないだはどうもね。アンタこの大会の抽選で宇座子と当たってたけど、
負けちゃったみたいねー。まあ本戦はその悔しさをバネにして頑張んなさいよ。」

ミーシャ:
「アタシをみくびるなよ。今後の結末を予見してみせようか。」

ジャガスキー:
「え?どうゆうことよ?」

ミーシャ:
「アタシはこの控え室を出て、バックステージで宇座子の髪を捕まえ、
会場中をひきずりまわすのさ。だが、そこには宇座子に味方する武者逝の連中が
何人も湧いてきてアタシを叩き潰す。そうだろ?冗談じゃない。」

ジャガスキー:
「アハハ・・・。そこまでよく考えたわねー。まあ確かにうちの団体はオーナーの
許可なしにあれこれやると面倒なことが返ってくるし、孤立無援の宇座子だって
仲間が全くいないわけでもない。あんま無茶なマネはしない方がいいわね。」

ミーシャ:
「だからアタシはこの団体に条件を提示してやる。2,3,4日目に予定されている
アタシとvs武者逝メンバーの試合にアタシが勝ち越せば、アタシとアンタのチームで
宇座子との2vs1ハンディキャップマッチを開く事!公式戦でアタシ達が2人がかりで
宇座子を叩くのよ。アイツの恥はオンライン上に記録として残る事になるの。どう?」

ジャガスキー:
「うん、いいんじゃない?あとはオーナー次第よ。あのオーナーがまたクセモノだから、
そのまま呑んでくれるか分かんないけどさ、まあうちの選手相手に全勝でもしてくれれば、
実行させてくれるわよ。ワタシも今からワクワクしてきたから、今日の試合そして
今度の3連戦、絶対勝ってよ。あ、そろそろ試合の時間ね。じゃ、頑張ってね。」

ミーシャ:
「(控え室を出ようとしたところで、振り返るミーシャ)
おっと、大切な事を忘れるところだったよ。 Have a nice day !」

ジャガスキー:
「Have a nice day !決めゼリフはお約束ね。

フフッ・・・、第2次宇座子粉砕計画が、いよいよ始まろうとしているわ・・・。」

アングル提供:琉球。氏











−第1試合−
(30pt) 吉澤 ひろみ VS ミーシャ・フォーリー (100pt)


ハードパンチャーvsハードコアファイターという過激な匂いが漂うこの対決。序盤から吉澤が得意のパンチをラッシュで浴びせるかと思いきや、チョップや地獄突きに留め静かな立ち上がり。一方のミーシャはアームホイップで何度も投げつけるなど地道に体力を削っていき、2分台で得意技のマンディブルクローを敢行。その後もSTF、テキサスジャブなどを決め中盤戦を若干リードします。

しかし6分台になると吉澤の攻めも徐々に激しさを増し、ミーシャのドロップキックをかわしておいて正面飛びドロップキックをヒット、ハンマースローも振り返してブレイジングチョップ。そこからもう一度ドロップキックを決めるとその後初めての大技・「変形エコノミーライン(ゴールデンレフト)」を命中させます。このままリードを突き放しに行く吉澤、ガンつけをしておいてのフェイスクラッシャー、そして正面からアッパーで突き上げると8分台に必殺「ガッツ式オーケー牧場!(振り抜きストレート)」を炸裂。

うつ伏せに倒れたミーシャをそのままチョークスリーパーに捕らえていき、早くもギブアップ勝利寸前に持ち込みます。前半を有利に進めていたミーシャも吉澤の思わぬハイスパートに苦戦が続いていき、この後も「伝説の右ラッシュ(ダイナマイトパンチラッシュ)」、ジャンピングネックブリーカードロップ、「19歳(串刺しDDT)」、キングコングニードロップと立て続けに大技を喰らい、窮地に立たされます。

一旦はアームホイップからフェイスクラッシャーに繋ぎ、コーナーへ激突させるなど反撃に移ろうとするものの、吉澤のテンポは崩せず。この後変形エコノミーラインを決めた吉澤がコーナーへ登り、ダイビングボディアタックでフォールに入ると、ミーシャがこれを返せず3カウントのゴング。ボクシング仕込みのパンチラッシュを惜しみなく繰り出し、若さで経験に打ち勝ってみせた吉澤が快調なスタートを切っています。

×吉澤 ひろみ  対  ミーシャ・フォーリー○
(10分05秒、ダイビングボディアタック)


獲得ポイント 累計ポイント
吉澤 ひろみ 1505pt 1535pt
ミーシャ・フォーリー 1005pt 1105pt




−第2試合−
(200pt) 椎名 恋 VS 天栗 秋子 (340pt)


顔面ストレート、フィストドロップなどパンチを軸に攻める椎名に対し、トーキック、ステップキックなど足での攻撃で優位に立とうとする天栗。その作戦が有効となりつつあるのか、4分台にチンクラッシャーで椎名をダウンさせるとコーナーに登り、トペ・アトミコを投下。これは自爆となるも、隙を見せずすぐさま拷問式コブラツイストに捕らえます。直後に椎名も馬乗りナックルに持ち込みますが、天栗が5分台に出したトペ・アトミコは成功、後頭部にフロントハイキックを命中させます。

天栗の攻めに椎名も火がついてきたか、この後即座にフックで立て直し、しかし天栗がダウンを奪うとブルドックポーズのアピールをし、バックを取ってリバースパワーボム。再び後頭部にフロントキックを打ち込んでいき、毒霧へ。これは椎名にかわされますが、積極的な攻めを持続させ後半戦を有利に進めていきます。ここまでやや劣勢気味だった椎名もこの後ヘッドロックパンチから顔面肘グリに持ち込み天栗の得意とするエゲつない攻めに対抗、ハンマースローを振り返しての回り込みDDTからバックを取ると、高角度前方回転エビ固めでカバーに行き、反撃を開始します。

これに焦りを見せ始めた天栗、カウンターから飛びつきジャンピングDDTを見舞うもヘッドロックパンチで倒され、椎名が力一杯首切り。後頭部にアッパーを打ち込み再び顔面肘グリ攻撃。天栗に精神的なダメージを与えておいてコーナーに寄せます。ここは天栗が椎名を場外に投げ落とし危機を逃れると、自らコーナーポストへ。すると場外でゆっくりと立ち上がる椎名を見計らい、コーナーから場外に向けてのスレッジハンマー投下。

場外戦には付き合わずすぐにリング内へ戻る椎名ですが、場内戦に移れば天栗がステップキックで倒しバックを取ってコマンドエルボー。そのまま必殺技の「天栗剥いじゃいました!(ステップオーバーフェイスロック)」に持ち込みギブアップ勝利を迫ります。このピンチはなんとか逃げ切った椎名、この後ヘッドロックパンチで倒すと力一杯首切りアピールから亡霊クラッチで逆転ピンフォール狙い。まだ余力のある天栗が2.5で返しますが、ハンマースローは振り返され椎名がカウンターからフックをヒット。

起き上がらせると走り込んでブレイジングチョップを浴びせていき、ラ・マヒストラルに捕らえます。これも2で持ち堪えた天栗ですが、先程までの攻勢はどこへやら、うまく反撃を見出せません。掴んだ勝機は逃さない椎名、この後もフックからの馬乗りナックル、ボディパンチ連打からの亡霊クラッチとプレッシャーを立て続けに与えていき、ジャンピングDDTからのムーンサルトフォールで再びカバー。パンチ、飛び技、丸め込みを巧みに合わせたこの波状攻撃に天栗も手を出せず、ここで3カウントのゴング。後半での畳みかけるようなラッシュで実力を見せつけた椎名が白星でのスタートです。

○椎名 恋  対  天栗 秋子×
(14分05秒、ジャンピングDDT→ムーンサルトフォール)


獲得ポイント 累計ポイント
椎名 恋 1905pt 2105pt
天栗 秋子 1405pt 1745pt




−第3試合−
(30pt) 紀所 伊代 VS 熟女仮面 オゲレッツ (150pt)


武者逝の中でも軽い身のこなしを誇る二人の対決。前半は大きな動きが無いままお互い順調に小技・中技を重ねていき8分が経過。ここで紀所がコーナーに登り、最初の飛び技サマーソルトドロップ敢行。ここから一気にハイスパートを狙おうとノーザンライトボムの体勢に入りますが、これは冷静に見ていたオゲレッツがスモールパッケージで返します。

今度はジャンピングツームストンを狙う紀所ですが、これもオゲレッツが切り返し、逆にツームストンを決めていってのラリアットアタック。ストレートアームバーに捕らえていき序盤からの腕攻めを持続、紀所の動きを封じます。思うように技をかけられない紀所ですが、この後オゲレッツを場外に投げ捨て呼吸を整えると、戻ってきたオゲレッツをロープに振り人工衛生ヘッドシザース。そこからグラウンドコブラツイストでフォールに行きます。

対するオゲレッツも紀所をロープに振り、フライングボディアタックですぐさま自らのフォール。その後セントーンも決めていきます。紀所も「蟷螂乱舞(鎌本乱舞)」で再びペースを引き戻そうとしますが、オゲレッツが片足を取っての脚払いからスパイク雄叫びを上げバック取り。しかしこれは紀所が前方回転エビ固めで切り返してフォール。目まぐるしく攻守が入れ替わる中、今度はオゲレッツがセントーン、ボディアタックを決めておいてからニークラッシャー。そこからトリプルジャーマンを決め、紀所から勝利を奪う大きなチャンスに。2.9でなんとか紀所が肩を上げます。

一旦は紀所がメキシカンストレッチに捕らえるも、この試合で勝利への意欲を見せるオゲレッツがこの後も攻め込み、途中ニークラッシャーを挟めつつ四の字固めへ2回持ち込み、3度目のボディアタックでフィニッシュへのフォール。後一歩まで追い込みますが、ここから紀所も本領を発揮し、人工衛生ヘッドシザースからスピニングレッグロック2連発、そして対角線コーナーへオゲレッツを振っておいてのトリプルムーンサルトプレス。

紀所が五分に持ち込んだところで、今度はオゲレッツがショートエルボーから三角飛びダイビングボディアタックですぐに応戦しますが、フォールを返せば紀所がノーザンライトボムで再び主導権を握り返し、パンサーポーズでフィニッシュ宣言をしてのバック取り。マヤ式スープレックスをリング中央近くで決め、勝利へのカバーへ。すると一進一退の攻防を繰り広げていたオゲレッツもここで遂に力尽き、3カウントを献上。15分を超える接戦の末、パロXチームの大本命・紀所が貫禄の勝利を決めました。

○紀所 伊代  対  熟女仮面 オゲレッツ×
(16分19秒、マヤ式スープレックス)


獲得ポイント 累計ポイント
紀所 伊代 2119pt 2149pt
熟女仮面 オゲレッツ 1619pt 1769pt




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