第5章・唯我毒尊編

〜予選リーグ3日目・Bブロック〜





<オーナーVIPルーム>




宇座子:
「ちょっとオーナー!!ミーシャ・フォーリーってオンナをどうにかしてよ!」

オーナー:
「どうにかしなくたってどうにかなるからー。大倉凛子のDVD見てるから静かにしてて。」

宇座子:
「アイツはジャガスキーとつるんでワタシ一人をボコボコにしようと企んでるのよ!?
静かにしてられるわけないじゃない!ハンディマッチの公約、取り消してよ!」

オーナー:
「(DVDを見て)ハハッ!面白いこと言うよなほんと。うわ、この柔らかい唇。」

宇座子:
「(オーナーの顔に接近し)唇の柔らかさだったら負けないわよ。ほら、ぶにゅ〜ん。」

オーナー:
ウヴウォエアァァァァァ・・・・・・・・!!!!!
・・・あっ、メニューボタン押しちゃったよ。」

宇座子:
「ハンデ戦取り消してよ。オーナーの権力だったら出来るでしょ。
それともオーナーの権力を使ってワタシを更にボコボコにするわけー?」

オーナー:
「そんなことしないよ。オレも確かに彼女の態度はどうなのかと思ってるし、
どっちの味方につくかと言ったらオレは宇座子の方につく。」

宇座子:
「またそんなこと言って。もうダマされないわよ。」

オーナー:
「ダマすつもりじゃないよ。オマエをダマしたって何も得しないし。でもミーシャ選手は
紀所に勝ってるわけだし、3連戦を勝ち越すという偉業は認められることだよ。
あくまでオレはオーナーとして、自団体と他団体を対等の立場で見ていきたいから、
卑怯なことをされれば黙っちゃいないし、素晴らしい闘いを見せれば賞賛してあげたい。
宇座子を悪いようにはさせないから、今日はそっと彼女の試合を見守っててくれよ。」

宇座子:
「今日もアイツが勝ったらどうすんのよ!?」

オーナー:
「その時に考えとく。そのままのハンデ戦じゃーあの二人が勝つに決まってるから、
そのあたりは宇座子も公平な立場で闘えるように、人を増やすなり検討しておくから。」

宇座子:
「分かったわ。その日までにちゃんと考えておいてよ。それとワタシ今日暇だからさ、
よければ帰り、食事に・・・」

オーナー:
行かねーよ!!○○して寝ろ!このブシャイク!そのきたねーケツを
スマックダウンしてやる!わからねーのかこのタコ!イッツトゥルー。」

宇座子:
「そこまで言わなくったっていいでしょ。もういいわ、今日は一人で帰る。」

アングル提供:自分











−第1試合−
(2554pt) 吉澤 ひろみ VS 天栗 秋子 (3353pt)


吉澤は喉笛チョップ、地獄突き、天栗はトーキック、ストンピングなど互いが打撃技を中心に試合を組み立てる中、高速ブレーンバスター2発、ステップキックなど中技で繋ぎを見せる天栗が3分、コンプリートショット。フロントハイキックを重ねると、4分台には早くも「天栗沈めちゃいました!(スモウドライバー)」まで決めていき、一気にリードを突き放します。更にハンマースローから飛びつきジャンピングDDTを決めていけば、そこから必殺・天栗剥いじゃいました!へ。

吉澤もチョップ、ゴリラスラムなど小技を地道に重ねているものの、ダメージはなかなか奪えず相手の大技ラッシュを受ける展開が続きます。その後の引き倒しラリアットは吉澤がかわしたものの、すぐさま天栗が2回目に行き命中。そこからバックを取り天栗抜いちゃいました!を決めていき、鬼童クラッチでフォールの体勢。開始時間はまだ5分を経過したところながら、フィニッシュ寸前まで持ち込みます。その後、相手がハードパンチャーであることを小馬鹿にするように顔面ストレートを打ち込んでいく天栗、そこからコンプリートショット、剥いじゃいました!と繋いで今度はタップ狙い。

起き上がればもう一度コンプリートショットを決めていき、再び剥いじゃいました!。これも気力で耐え凌いでみせた吉澤が、この後マッケンローを決め反撃を見出そうとしたもののコーナーにぶつけられ、チャンス消失。天栗がブルドックポーズから再度剥いじゃいました!に持ち込み、解かれれば沈めちゃいました!からまたしても剥いじゃいました!へ。これもタップをしない吉澤に対し、スタンディングから顔面ストレートを打ち込む天栗、吉澤も喉笛チョップで応戦したものの、ファイヤーマンズキャリーでグラウンドに持ち込まれ、天栗5度目の剥いじゃいました!。

しかしまだまだ耐えた吉澤、起き上がり際に組み付いて反撃技を見舞いに、が、これは天栗が振り解いて回避。再びブルドックポーズでアピールする天栗、ここからは剥いじゃいました!へは行かずバックを取って、天栗抜いちゃいました!へ。タップが決まらなければフォール狙いか、ここからすかさず天栗が鬼童クラッチで丸め込むと、これは吉澤返すことが出来ず、3カウントのゴング。結局10分経過を待たずに猛攻のまま突き進んだ天栗が、リーグ戦初勝利ながらも獲得ポイントは1000ptに終わっています。

×吉澤 ひろみ  対  天栗 秋子○
(9分15秒、天栗抜いちゃいました!→鬼童クラッチ)


獲得ポイント 累計ポイント
吉澤 ひろみ 1000pt 3554pt
天栗 秋子 1000pt 4353pt












<オゲレッツの控え室>




オゲレッツ:
「今日の対戦相手は、我がパロX武者逝の重鎮・紀所伊代嬢をも破った強敵、
ミーシャ・フォーリー。この試合でもし私が敗れるようなことがあったなら、
我が心の恩氏・宇座子先輩は危険な目に・・・。

なんとしてもその手は食い止めなければならない。宇座子先輩、見てて下さい。
正義のヒロイン・熟女仮面オゲレッツが、必ず悪を、ミーシャを倒します。
では、オゲレッツ行ってきます。」










ガチャッ(ドアを開く音)・・・・ドカッ!(ドアを開いた瞬間、入って来た者と激突)










オゲレッツ:
「痛っ!」











ミーシャ:
「やあ。オゲレッツ♪」

オゲレッツ:
「何者かと思ったら、そなたは今日私と闘う相手、ミーシャ・フォーリー!
試合を前にして相手の顔を見に来るとは、何奴?」

ミーシャ:
「そのマスク、イカシてるね。ひょっとして花粉症?
(クロレッツをひとつ口に含む)ひとつ、どう?」

オゲレッツ:
「私の命である顔を花粉のマスクと見間違えるとは憤慨だが、
試合を前にした緊張をほぐすための、心遣いと・・・。
気に入った、ひとつ頂こう。チャムチャム・・・。」

ミーシャ:
「キミに一言だけ言いたい事があったんだ。
キミ、確か現在のBリーグ得点で首位だよね?
だけど・・・」

オゲレッツ:
「だけど・・・?私の純プロ道に、文句があるとでも?」

ミーシャ:
「アタシには紀所選手でさえ歯が立たなかった。
今日の試合の後、キミはその理由を思い知る事になるかもね。
アタシには速攻は通用しない。理由を聞きたい?」

オゲレッツ:
「理由だと・・・?そなたの主張など聞く耳を持たぬが、
ここはあえて聞いてみるとしよう。」

ミーシャ:
「アタシはダサダサのマスクをつけて人前に出るほどの
センスを持ち合わせていないからさ。
この試合で、キミのマスクとアタシのソッコ…
両方を併せてキミの喉にねじ込んであげるよ!
Have a nice day!!
(クロレッツを噛み砕いて出てゆく)」





ガチャッ(ドアを閉める音)





オゲレッツ:
「くく・・・。ミーシャ・フォーリー、どうやら私が思っていた以上の
問題人物のようだな。私が正義である以上、そなたは悪。
悪は許さん、成敗してくれよう。トォーーッ!!」










ツルッ、バタァーーン!!(飛ぶフリをしたら勢い余って転倒)










オゲレッツ:
「痛たた・・・。歳とると腰にきちゃってねえ・・・。」

アングル提供:琉球。氏











−第2試合−
(3211pt) ミーシャ・フォーリー VS 熟女仮面 オゲレッツ (3877pt)


武者逝の本命・紀所を攻略し、勢いに乗るミーシャの今回の相手は、リーグのトップを走り目下絶好調のオゲレッツ。試合前に口撃戦を繰り広げたこともあってか気持ちの高揚が感じられる両者、何度も腕四つによる力比べを展開します。そんな中、ミーシャを場外に投げ落とし飛行機ポーズで軽く挑発するのはオゲレッツ。ミーシャが場内に戻れば再び腕四つの体勢になり、そこからミーシャがロープへ振ると、カウンターのナックルパートを命中。

更に3分、マンディブルクローを決めていけばヘッドロックパンチから逆エビ固めへ。このあたりの攻めにもミーシャの自信が感じられます。対するオゲレッツはこの後ストレートアームバーを2度に渡って持ち込み静かな攻めに徹しますが、ミーシャがコーナーへ寄せていけば馬乗りナックルアローの連打。フィストドロップで追い打ちし、相手の攻め方などお構いなしにミーシャがラフを徹底します。そしてブレーンバスターでオゲレッツを場外に投げ落とすと、アイテムゲットアピールから自らも場外に降りて場外戦へ。

オゲレッツがコブラツイストに捕らえるも、ミーシャがテキサスジャブで殴り倒し、バック取り。これはオゲレッツが防いでミーシャを鉄柵に投げつけていき、先に場内に戻りますが、場内に移ればミーシャがマンディブルクロー。マスクごとソッコを突っ込む勢いでオゲレッツの呼吸を塞いでいき、そこからまたも場外戦へ。場外でスクールボーイを決め精神的ダメージを与えにいくミーシャ、対するオゲレッツは片足取り脚払いで軽く倒しておいて、相手に付き合わせずに先に場内へ。場内戦に移れば再度脚払いに行くオゲレッツがここからセントーン、更にもう一度脚払いで倒しておき、ストレートアームバー。

自らの闘い方を忘れないオゲレッツですが、それはミーシャも同様、その後になんと3度目の場外戦へ移させます。しかし場外ではオゲレッツがフライングメイヤーで迎撃、セントーンを落としていきすぐに場内へ戻ります。リング内外でお互いの主張がぶつかり合う中、場内戦ボディスラムで担ぎ投げたミーシャが、片手上げアピール。そこからエルボードロップホールドへ持ち込むと、これには思った以上のダメージを負っていたオゲレッツ、命辛々2.9カウントで逃げ切り。ヒヤッとさせられましたが、この後は何事もなかったようにオゲレッツがマッケンローからランニングセントーンへ繋いでいきます。

しかしその後にカウンターナックルパートを浴びせられ、BANG!BANG!ポーズを見せるミーシャがフェイスクラッシャーから再度エルボードロップホールドへ。これもカウント2.9まで迫られたオゲレッツですが、そこからボディスラムで立て直すと、エプロンサイドに移ってのフライングボディアタック敢行。更にショートエルボーでもう一度ミーシャを倒していくと、今度はコーナー駆け登り式のダイビングボディアタック。このフォールによってミーシャもカウント2.9に追い込んでいき、勝負を五分に持ち込みます。

そして脚払いで再度ミーシャを倒していくと、スパイク雄叫びを上げるオゲレッツ、ここからバックを取ってトリプルジャーマンを炸裂。3カウントはなりませんでしたが一気にペースを押し戻したオゲレッツが、この後ボディスラムでミーシャを場外に投げ捨てて、あえて自ら場外戦へ。すると、場外マットにおいてもトリプルジャーマンを敢行。大きく攻勢を保って場内に戻り、ミーシャがパイルドライバーを狙っていくもショルダースルーで切り返し。

押せ押せムードのオゲレッツがここからフィニッシュを狙い、スパイク雄叫びからセントーン、そして足四の字固めへ。ギブアップなるかと会場の歓声が高まる中、ミーシャが気力でなんとか耐え凌ぎ。スタンディングの体勢へ戻ると、ここで目を覚ましたように反撃に転じたミーシャ、余力を振り絞ってのテキサスジャブでオゲレッツの顔面を殴打し、イチかバチかに賭けるエルボードロップホールド。まだ返す余力は充分あったはずのオゲレッツでしたが、ここでまさかの3カウント献上。

それほどミーシャの最後の一発が凄まじかったのか、それまで顔面に受けてたパンチが積み重なって大きなダメージとなっていたのか、優勢だったオゲレッツ突然のフォール負けに会場あっけに取られましたが、最後の最後で逆転勝利を決めたミーシャが、武者逝相手に破竹の2連勝達成。公約上ハンディキャップマッチ施行を確実なものとし、ポイントにおいても首位浮上の射程範囲内にまでつけています。

○ミーシャ・フォーリー  対  熟女仮面 オゲレッツ×
(13分46秒、テキサスジャブ→エルボードロップホールド)


獲得ポイント 累計ポイント
ミーシャ・フォーリー 1846pt 5057pt
熟女仮面 オゲレッツ 1346pt 5223pt

















伊智:「おっと試合が終わったさなか、花道から宇座子が乱入です!
ミーシャの発言に人一倍怒りを発している宇座子、襲撃しようというのか!」































伊智:「あーそれをミーシャのセコンドにいたジャガスキーが阻止したー!
そして襲撃を失敗した宇座子をメッタ打ちー!」


















伊智:「今度はなんと!?ミーシャの背後から天栗が襲撃だー!
天栗抜いちゃいました!そして天栗剥いじゃいました!
ミーシャの武者逝3連戦・最後の相手を務める天栗が、ここで
強烈なアピールを示しました!」








天栗:
「ミーシャ選手、破竹の2連勝でハンディキャップマッチ施行おめでとう?
そんな事言うヤツなんか、うちのリングのどこにも居ないじゃきよー!
アタイがこれまでの仇を全部取って、クーリクリンのボッコボコにしちゃるけん!

今日アタイが倒した吉澤以上にボッコボコのギッタギッタに叩きのめして、
アンタの選手生命を終わらせてハンデ戦なんか力ごと抹消させてやるけんよ。」






伊智:「ミーシャは今日の試合で2勝目を挙げたため、公約上では
ハンディキャップマッチを施行することは決定ですが、宇座子含めた
武者逝勢が、それを黙って見届けるはずがありません!

次回オーナーはどんな判断を下すのか、気になって夜も眠れません!
それは冗談としておいて、4日目は更なる動きに注目です。」
















−第3試合−
(3624pt) 椎名 恋 VS 紀所 伊代 (3754pt)


武者逝とミーシャの抗争が激化しているのもあってか、ピリピリとしたムードがこの試合の中にも感じられ、紀所と椎名が何度もコーナーへのぶつけ合いを展開します。その中、2分終了間際に紀所がステップキックから駆け登りムーンサルトプレス。先手を取ると、ココナッツクラッシュから再度駆け登りムーンサルトプレスへ。まだ試合は序盤、中盤ながらもラッシュを仕掛けていく紀所、この後人工衛生ヘッドシザースからミステリオ・ラナでフォールを狙います。椎名がアッパーを返していくも、紀所がすぐさまグラウンドコブラで再度フォールを狙い、4分椎名をコーナーに寄せての「殺鬼身取り(不知火)」敢行。

そのままコーナーポストへ登りに行き、ムーンサルトプレスでフィニッシュの体勢に。まだ試合は5分を経ったばかりながらも、紀所が前日負けた分を倍にしてぶつけるかのような猛スパートで勝利に迫ります。この後椎名もベリートゥベリー、フロントヘッドロックからのエルボーで反撃に転じようとしたものの、紀所が同じく対角線コーナーに寄せていき、今度はトリプルムーンサルトを敢行。これも2で返されれば、ボディスラムからうつ伏せに転がしポジションを整えてのムーンサルトプレス。

試合時間を気にも止めず、締めに向かう紀所。この後椎名がフロントヘッドロックからエルボーで倒し、バックを取りに行ったところを回転エビ固めで紀所が切り返すと、これが3カウントとなって決着。オゲレッツと首位戦線を争っていただけに、今回はもったいない終え方をした紀所ですが、これもミーシャ・フォーリーに対する怒りなのか、それとも何か別の想いがあるのか、今後の動向が気になります。

×椎名 恋  対  紀所 伊代○
(7分04秒、前方回転エビ固め)


獲得ポイント 累計ポイント
椎名 恋 1000pt 4624pt
紀所 伊代 1000pt 4754pt




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