第2試合「ミカ」対「飯田」 開始のゴング直後、飯田が猛ラッシュでミカへ秒殺を狙っていく。 だが市井や石川にも金星を上げているミカは、圧倒的な破壊力を持つ飯田にも屈しずに、 カウンターからのリバースDDTやドラゴンスリーパーなどで確実に飯田のスタミナを奪っていく。 今回の試合では大振りさが目立ってしまった飯田は、攻め込みながらも有効打が出せず。 相手の攻撃を的確に判断して捕らえていき、カナディアンハンマー、カミカゼといった大技で ミカが有効なペースで試合を進め、最後は雪崩式のフィッシャーマンバスターで飯田にフォール勝ちを収めた。 ○ミカ 対 飯田× (7分47秒、雪崩式ココナッツ・バスター) 第3試合「辻」対「安倍」 今までの試合以上にスピーディーで白熱した試合展開を見せる両者。 辻がヘッドシザースなどのトリッキーな攻めで相手を翻弄していくのに対し、安倍はエルボー、ラリアットといった 一発に重みのある打撃技を次々と繰り出していく。 辻がチャッキリドライバーを一回決めた以外は、両者ともこれといった大技を決められずに、 15分間をフルに使って目の止まらぬような駆け引き戦を演じた。 △辻 対 安倍△ (15分、引き分け) 最終試合「矢口」対「中澤」 これまでが両者とも1勝1敗1分けということで、この試合は時間無制限の完全決着戦となる。 リーダー同士で両軍の抗争に決着を付けるという、軍団対抗戦にふさわしい顔合わせとなった。 そして、中澤卒業試合の前哨戦という、もう一つの重要な意味も持つ試合である。 お互いが慎重に腕4つへ持っていく。そして力比べに。両者全くと言っていいほど力は互角。 中澤から先に手を放し、今度はグラウンドでの寝技の奪い合いにいく。まさに、この展開こそが 「王道」なレスリングの試合運びである。 聞こえる音はマットを叩く音だけというぐらいに、観客と選手の叫び声も無い、静かな時間が過ぎて行く…。 開始6分、中澤をコーナーに振ってからのショルダータックルで、ようやく矢口が声を上げる。 そこから観客のテンションが高まりはじめる。 矢口がセカンドロープからブレーンバスターを狙うが、それは中澤がパンチで落としていく。 再び矢口がコーナーに登るがキックで迎撃。そして中澤がセカンドロープからダイビングラリアットを 勢いよく決め、矢口ダウン。 「よっしゃ!決めるで」と中澤がフィニッシュ宣言。ダブルアームからツームストン式で首を落とし、 コーナーに登って純情狂騒弾を決める。そこからドクターボムへ繋ぐが、これは矢口がボディーシザースで返す。 ここからは矢口が反撃を開始する。ラリアットを正面からと背後からで2発繰り出し、 そしてランニングでのマリッペスパイクを決め、フォール。中澤は冷静にカウント2で返す。 その後矢口が腕を極めながらのスリーパーで締め上げるが、難なく中澤はロープへ逃れる。 休む間もなく次々と技を繰り出す矢口。スタミナでは矢口が上回っているものの、 不利な体勢でも冷静に判断して反撃に転じることができる中澤は、やられながらも呼吸が乱れている様子は 感じられない。いつでも一発逆転を狙っているように見えた。 トルネードボム、パワーボムなど矢口の得意なボム系の大技が次々と繰り出されるが、 なかなかピンフォールを奪うまでのところに漕ぎ着けない。 矢口が一瞬、攻めを止めたのを見計らい、フライングニールキックで再び中澤が動きはじめる。 矢口が行かせまいと様々な打撃を当てにいくも全て寸分でかわし、エルボーからの リバースタイガードライバーでフィニッシュへ。中澤の勝ちが見えてきたにも関わらず、 チームのリーダーとして、ベルト王者としての意地で、「ここで負けるわけにはいかない」と気力で這い上がる矢口。 それを尻目に、動揺することなく純情狂騒弾、ドクターボムといった十八番技を連発。 何度も「これで決まるか」と思ったものの、毎回カウントをギリギリで返していく。 「これで最後だ」と、矢口をコーナーに持ち上げて、雪崩式DDTを放ったが、矢口が中澤の両足を掴んだまま パワーボムの体勢となって、スーパーマリッペダイナマイトを決めて逆転。 大ダメージを喰らっていながらも、矢口が一気に猛反撃を展開し、マリッペダイナマイトはフォールに行かず、 すぐさまコーナーへ登ってダイビングセントーンをライデンドロップの要領でフォール。 中澤が返していたが、カウント3に間に合わず。 バトルロイヤルの決勝戦と同様、矢口が最後での大どんでん返しで劇的な勝利を飾った。 ○矢口 対 中澤× (30分9秒、ダイビングマリッペドロップ)
○りんね 松浦 対 柴田 ×村田 (9分30秒、りんねクラッチ) 期待の新人、松浦と息の合ったコンビネーションを見せたりんねが、 得意の固め技でメロンチームに快勝。 石黒 彩 対 アヤカ (9分6秒、雪崩式アヤッペカッター) ミカに続けと石黒から金星を狙うアヤカ。 キャリアの差は目に見えたが、雪崩式が飛び出すほどの本気を石黒に出させた。 ≪前編へ |