「注目の一戦」 第1試合「後藤&安倍組」対「飯田&石黒組」 〜飯田「その場で思いついた即席ラーメンコンビに負けるわけにはいかない」と常連タッグチームの意地として 気合を入れている飯田・石黒組。 今までにごく数回だけチームを組んだことはある後藤と安倍。人気は当然トップでありながら、 チームワークの噛み合いがあまり良くないと言う課題を持っている。 飯田の言っているとおり、その場で結成した即席(ラーメンではない)コンビが、 ベルトを幾度となく奪取している常連コンビに食いつけるかどうか、注目の一戦である。 〜試合序盤はお互いに基本的なレスリングの技を出し合い、互角な試合運びを展開していく。 4人の中では安倍が、顔面への張り手を的確に決めているのが目立った。 試合開始から6分が経とうとするところで、石黒のブレーンバスターを切り返して安倍がバックドロップを放つ。 その後すぐに一本足ヘッドバット→フェイスカットという、石黒のラフプレーの連繋に捕まるが、 屈することなく延髄斬りをカウンター気味に決めて、優勢なペースを握ろうとする。 石黒が飯田へ、安倍が後藤へ交代し、再び攻防は振り出しに戻る。 飯田がボディスラムで場外へ投げ捨てて挑発するシーンも見られたが、後藤は動じることなく リング内に戻り片足を掛けての延髄斬りで首を狙いにいく。 開始10分頃に飯田が低空でバックドロップを見舞い、この試合で初めての大技が出る。 後藤の体を反らせての逆エビ固めが効果的に決まり、あえなく安倍へタッチを求める。 コーナー串刺しでのボディスプラッシュ、ダイビングのギロチンドロップを立て続けに浴びてしまった安倍だが、 パワーボムを食らいながらも細やかに固め技で返したり、デスバレーボムを回転して丸め込んだりと、 今回粋の良い動きを頻繁に見せている安倍。しかし、コーナーへ飯田をぶつけたところで逆にデスバレーボムを 決められてしまい、力量の差を見せつける飯田。 だがバックを取られそうになったところをフライングメイヤー→三角絞めという寝技へ持ち込み、 勝敗を決して諦めない安倍に声援が上がる。 ジャンピングDDT→クロスアームスープレックスを辛うじてカウント2,9で返した飯田が石黒へタッチ。 試合の権利が移ってすぐさまにアウトサイダーズエッジを石黒が決める。 体固め、スクールボーイで果敢にフォールを狙いにいくが、寸前のところで安倍が間に合い、後藤にタッチ。 チョークスラム、ハワイアンクラッシャー、ダイビングギロチンと大技を繰り出され続ける後藤だが、 持ち前の根性と負けん気で、ダイヤモンドカッターから起死回生のドラゴンスープレックスを放つ。 勝負に対する気持ちでは経験の浅い後藤・安倍が上を行っている。 「なめんなよ!」と言わんばかりにこの試合、ガンつけパフォーマンスを見せている石黒が ガンつけからの延髄斬りで気合をぶつける。 角度の高いアウトサイダーズエッジからエプロンの安倍が見ている目の前でスクールボーイを決める。 そしてこの試合数発決めているダイビングギロチン。 相手がパートナーに交代してからも大技を難なく決めつける石黒だが、 安倍のファルコンアローでまさかのピンフォール負けを喫してしまう。 飯田がまだ本領を出していなかったせいもあり、このチームにとって後味の悪い負け方となってしまった。 (21分49秒、垂直落下式ファルコンアロー) 第2試合「矢口&ミカ組」対「石川&吉澤組」 序盤は吉澤がショルダーアームブリ―カーを効果的に決めて相手に屈しない攻めを見せ、 ミカはうつ伏せにさせてのニードロップで有効にペースを握り、それぞれが良い持ち味を出した好勝負を展開。 中でも特に輝いていたのが石川。 後ろへ素早く回ってのジャンピングバックドロップ、テンポの良い繋ぎ方のランニングフラッシングエルボー、 変形ツームストンを多用するなど、息切れをしない目にも止まらぬ速い動きで会場を大いに沸かす。 「はいっ!」ポーズもこの試合で2回見せ、串刺しDDT→フルネルソンバスター→セントーンアトミコ、 雪崩式フィッシャーマンバスター→高角度前方回転エビ固めという、高度な大技の連繋も見せた。 それに対しこの試合、やや体のキレが良くなかった矢口。 マリッペスパイク→リバースDDTで反撃するものの、そこへ脳天をまっ逆さまに落とされる吉澤の オレンジクラッシュを決められてしまい、カウント3を奪われた。 (17分01秒、オレンジクラッシュ) 第3試合「加護&辻組」対「市井&保田組」 4人それぞれが自分の力を出しきったといえる試合だった。 辻にタッチされた加護がすぐさまロープへ振ってイキの良いクロスチョップを見舞い、 辻もモンキーフリップを何度も決めて、彼女達らしい試合の進め方を見せた。 対する市井・保田も、市井は「ヨイショ!」の掛け声からのスピニングトーホールドを様々な技の繋ぎから決める。 Hエッジ→尻叩きアピール→飛びつき逆十字というユニークな連繋も。 保田は持ち前の鋭い蹴り技と、おつむの違いを見せつけるようなクールなアピールを随所でしていた。 開始15分を過ぎてからフォールの取り合いが激化。 保田のダイナマイトニー→ダイビングダブルニープレス、さらにまたダイナマイトニー→変形足四の字という、 非常に苦しい腹部へのダメージを受けたと思ったらすぐに加護が立ち上がって、 テキサスジャブ→スピニングレッグロック→テキサスクローバーホールドで余裕を見せる。 そしてブロックバスターホールド、チンクラッシャー→デルフィンクラッチと保田を追い詰めていくと思ったら 保田がタイガードライバーを一瞬にして決める。その後加護のタックル→ジャックナイフ固めで再びフォール。 かと思えばまた保田がタイガードライバーを敢行という、非常に見応えのある攻防を見せた。 その後辻と市井の対戦に切り替わる。 回転地獄蹴り→人工衛星ヘッドシザース、足をすくって倒してからのクルックヘッドシザースと、いつもの 流れの良いコンビネーションを見せた辻であったが、一撃必殺の威力を誇っている市井の ノド輪+ジャンピングボム=スーパーボムが、一発でピンフォールを奪い、勝負は先輩に軍配が上がった。 決着後、市井はお得意のマッスルポージングでオールドチームの健在ぶりをアピールした。 (22分47秒、スーパーボム) 第4試合「中澤&福田組」対「平家&アヤカ組」 「古参チーム」対「新世代チーム」のこの一戦。特に中澤と平家の「ネーさん同士」が組み合ったときには 毎回歓声を浴びていた。 開始9分、テキサス張りの荒いパンチのラッシュから、コーナーへ登って必殺の純情狂騒弾を容赦なく 平家へぶつけた中澤。オーソドックスな技で必死に応戦する平家だが、最近珍しいリバースタイガードライバーを 喰らい、アヤカへタッチ。 今井にシングルで勝利を挙げているアヤカ。ベテラン相手にひるむことなく果敢にニーを放っていく。 ダイナマイトニー→ダイビング背面エルボー、ダイナマイトニー→ダイビングラリアットというスピードに乗った コンビネーションを見せていく。 それに対し、福田は重量感のあるパワー殺法&テクニカルな動きが要求されるサブミッションという 相対的な技の組み合いで対抗する。 ストレッチバスターを決められたところでアヤカの動きが止まる。 ヒールホールドで足を散々痛めつけられてノーザンライトボムを2発決められるなど、非常に厳しい展開を迎える。 そして福田がボムフィニッシュアピール。 ここでフィニッシュに入るかと思ったら、アヤカがロープへ振り目に見えないほどに鮮やかな回り込みを 見せてのDDT。これには観客一同、驚かされた。 「ノー、ノー」とアピールしてのラリアット→リバースDDTを繰り出したがその後、 餅つき式のパワーボムが決まり、これにはたまらず3カウント。経験の差が表れた一戦だった。 (15分20秒、餅つきパワーボム) 第5試合「りんね&柴田組」対「今井&島袋組」 以前から二人の間に火花を散らせている柴田と島袋。 この試合で一際二人の攻防が熱く感じられた。 りんねと今井の対戦時は、今井の蹴りが次々とりんねの頭部へ襲いかかり、危うい状況に。 そしてアキレス健固めで足を極められるがスピニングトーホールドで足を極め返す。 それをほどいてさらにアキレス健固め。だがその後の蹴りを捕らえてりんねがドラゴンスクリューを決めるなど、 足への攻撃のしのぎ合いが非常に白熱した展開を見せた。 りんねが柴田へタッチしたものの、バックを取られそうになっても今井はレッグスピンで幾度もチャンスを奪い返し、 ランニングパワーボム、ジャックハマー、スクリューハイキック→三角絞めという強力フルコースで追い詰める。 若手チームは再びりんねへと権利が移るが、今井の勢いを止められず。 キドクラッチ2連発、ランニングでの回転エビ固めを決めるがカウントは入らず、 フライングニールキック、卍固めなども繰り出した今井が、最後はサンダーファイヤーパワーボムで 3カウントを取った。かつて女子プロ界を一世風靡していた今井の強さを思い起こさせる試合となった。 (16分09秒、サンダーファイヤーパワーボム) |