第1試合「後藤&安倍組」対「今井&島袋組」 両アイドルグループのメイン同士による決戦。一昔前なら、ここで勝ったチームが最強アイドルの 称号を得られるといったところだろう。だが今となっては、色モノ対決を超えた「プロレスラーとしての 己の意地を賭けた戦い」へと変貌を遂げている。 果たしてどちらがトップアイドルレスラーの看板を守りきるのか。 期待通りに、お互いの意地と技がぶつかり合う互角な闘いを見せ、声援に応える両チーム。 共に絶妙なタッチワーク、テンポの良いリズミカルな動きで試合序盤を終了する。 試合開始から8分を過ぎ中盤にさしかかると、今井がペースを速め後藤に連続してダメージを与えにいく。 剃刀ブレーンバスターで何度もマットに叩き付けてから、ランニングパワーボムを見舞い後藤をピンチに陥れる。 交代した安倍が借りを返すとばかりにジャンピングバックドロップ→延髄斬りを決め、今井に反撃。 しかし今井がスクリューハイキック→三角絞めで安倍にもピンチに陥れようとする。 そしてサンダーファイヤーパワーボムでフォール。だがその直後に安倍がお返しのハリケーンドライバー。 これまでいくつもの試合で見せている、この安倍が意地で繰り出すハリケーンドライバーは、 他チームにとって脅威の一撃であろう。 そして更に安倍と今井の意地がぶつかり合う。 今井がすぐさまジャックハマー、その直後に安倍がナッチクラッチで固め返し、 両者が自分の技を見せつけ合うような闘いとなる。 その後今井が島袋に、安倍が後藤に交代する。 島袋が今井以上にペースを上げて、ダメージを残している後藤に襲いかかる。 スタミナの差で優位な状況の島袋、後藤に付け入る隙を与えさせずに、あらゆる状況で使い分けの効く 胴絞めスリーパー、裏投げ、ジャンピングバックドロップを連発。 一度は後藤にクロスアームサンダーファイヤーでチャンスを奪われるが、それ以降決定打を浴びずに、 サスケ式サンダーファイヤーパワーボムで鮮やかに丸め込んで3カウントを奪った。 優勝最有力候補と呼ばれた後藤・安倍が、五回戦を終えてまさかの一勝四敗最下位。 このまま色モノタッグチームに終わってしまうのか、意地でも後半に追い上げを見せて欲しい。 (17分28秒、サスケ式サンダーファイヤーパワーボム) 第2試合「飯田&石黒組」対「石川&吉澤」 石川・吉澤組の猛攻を食い止めるべく、今回闘志を燃やしているのが飯田・石黒組。 本来の強さを取り戻した感のある飯田が、相手チームの連勝をストップさせることができるか、 注目を集めている一戦である。 やはりペースの持ち込み方に関しては秀でた能力を誇っている石川。組んではボディブローの連打、 カニ挟みで相手を倒させ、倒れればフラッシングエルボーを随所で打ち込む。 ダメージを確認すればジャンピングバックドロップ、スイングネックブリ―カーと無理のない技の繋ぎで 確実に主導権を握りにいく。 だが飯田・石黒組は決してペースを奪われず、シンプルながら説得力のある技を堅実に当てていく。 9分を過ぎたあたりで、飯田と石川の攻防が激しくなり始める。 石川が串刺しDDT→腕ひしぎ逆十字という、今までの試合の大技ラッシュ時に多用している コンビネーションを繰り出す。 飯田もそれに屈せずにロープに振ってのジャンピングニー、ガッツポーズを決めてのキングコングニードロップと ダイナミックな連携で反撃する。 吉澤に羽交い締めされてのフライングニールキックがカウント2.9、飯田がフィニッシュに近づいていると 思いきや、その後すぐに石川へカオリン・ジョンソン・ボムを軽々と決めてしまうというタフさを見せつける。 石川が吉澤に交代した時、石川の変形ツームストン→吉澤のジャンピングフロントハイキック→ダイビング ボディプレスという、カットプレイ禁止ルールの本大会では珍しい流れるようなタッグプレーを見せた。 ここでのフォール、カウント3が入るか入らないかの瀬戸際でなんとか飯田が返すのに間に合う。 冷静に石黒への交代を判断して一時の難を逃れる。 ここで交代をせずに闘っていたら、体力の余っている吉澤に勝利を決められていたかもしれない。 タッチを受けた石黒が、鬼のような形相で吉澤に喰らいついていく。自分と同じく長身の吉澤を軽々と 抱き上げたかと思いきや、予測不可能で荒技ハワイアンクラッシャーを決めて頭部を叩きつける。 どの試合でも石黒は人一倍存在感を見せつけている。 だが吉澤がSTOで一瞬にしてペースの巻き返しを図る。コーナー串刺しラリアット→垂直落下式バックドロップ、 フロントスープレックスと次々とレスリングの技術を要する技を難なく決めつけていく吉澤。 しかしその後のダイビングボディプレスを誤爆し、隙を捕らえた石黒が延髄斬りをクリーンヒットさせ、 再びチャンスを取り返す。 相手の技を喰らいつつもチョークスラムでフィニッシュを狙い、コブラツイスト、キャメルクラッチを 場外戦でも使って相手にプレッシャーを与え続ける。 だがレフェリーがカウント11を数えたところで鉄柵に激突。 リングアウト勝ちを狙われ、石黒が厳しい状況を迎えることになる。 カウントは18、19と迫りカウント20を数える寸前のところでリングインに間に合い、危機を脱出。 だがその石黒に再び危機が訪れる。 吉澤に旋回式直下ブレーンバスターを決めたところで呼吸困難に陥ってしまう。 チャンスと見た吉澤、バックを取って投げっぱなしジャーマンを放り投げるように決めて、石川にタッチ。 身動きすら取ることもままならない石黒。前方回転エビ固めをリング中央で決められて万事休す。 だがこれをギリギリカウント2.9で返す。そして前にかがんだ状態にも関わらず腕一本で 石川にチョークスラムを決める。 ここで呼吸を整え反撃にかかり、起死回生のハワイアンクラッシャー。この技はいつも 闘いのドラマを作り上げている。 しかしまだ余力を残す石川が変形ツームストン、ランニングでのフラッシングエルボー→背面式片エビ固めで 再びフォール。今度こそは、と思っていたであろうが、これもカウント3寸前で石黒の両肩が上がる。 決められておかしくないフォールを2度も意地で返した石黒。 彼女の意地は、どこまで彼女の負けを認めさせてくれないのか。 「信じられない」といった表情の石川・吉澤。石川がアトミックドロップをエルボーで返し、十字切りアピールから フライングネックブリ―カーで攻めを持続するが、ここで石黒が飯田にタッチ成立。 「待っていた」と言わんばかり、ものすごい大声援と熱気に包まれた中、リングに入る飯田。 今まで収縮されていたパワーを吐き出すように、猛烈な勢いでワイルドボムを2連続で叩き込む。 2発目がレフェリーカウント3を数えて、劇的な飯田・石黒組大勝利。遂に石川・吉澤組に土をつけた。 飯田「やったあー、ねえちゃん。今日のアヤッペナウいかったよぉー。」 石黒「最後にカオリが決めてくれたからさ。とにかく今日はいい試合をすることができました。 うちの主人と子供にも伝えときます。」 飯田「これからもウチらがこういった試合をバンバン見せていくんで、期待していてください。 このあとの全部勝って優勝しまーす!」 石黒「今から全部勝っても優勝はちょっとキビシイんじゃない?」 飯田「優勝はダメでもブービー賞とかあるじゃん。」 石黒「ハァ?なにソレ?」 (20分41秒、ワイルドボム) 第3試合「矢口&ミカ組」対「中澤&福田組」 矢口と中澤の“デコボココンビ”対決ということで、いつも通り命知らずの矢口が 中澤をイジメるのかと思いきや、今回の矢口はなぜか態度が控えめ。 その代わりに中澤は、今までのお返しとばかりに激しいパンチの連打を浴びせていく。 対石川・吉澤戦のときの様に、矢口・ミカがこれといった良い動きを見せられず、 前回で爆発的な猛攻を見せた福田が、この試合でも再び爆発する。 試合開始6分台でパワーボム、そしてその後は大技のオンパレード。 ストレッチバスタ―→ドラゴンスリーパー、ノーザンライトボムから再度ドラゴンスリーパー、ミカの交代を受けた 矢口にもベリートゥ・バックなどで、あっという間に勝機を我がものとする。 矢口・ミカ組一度も大技を出せないまま、中澤2発目のドクターボムで矢口ピンフォール負け。 調子が良い時と悪い時の差が激しい矢口が裏目に出てしまった一戦となった。 飯田・石黒組に敗れた石川・吉澤組と並び、中澤・福田組が遂に首位に躍り出た。 矢口「今日の裕ちゃん、なんかスゴイ怖かったぁ。いつもと雰囲気がちがうんだもーん。」 中澤「いつもはヤグチにいじめられてばっかやったから、たまには自分がヤグチをいじめてもええかなって。 でも普段はすごい仲良しやから、後で一緒に遊ぶやらなんやらしますよ。」 (12分58秒、ドクターボム) 第4試合「加護&辻組」対「平家&アヤカ組」 いつも開始当初からワンパクぶりを見せている加護・辻は、今回先輩に怒られたかなんかで 少しおとなしめな様子。これといった大技やパフォーマンスも見られないまま、開始10分が経過した。 しかしそろそろ結果を出しておきたい平家・アヤカ組は、相手の掴み所を見出せず、 地道にダメージを与えてきた加護・辻組が、中盤を優位に進める。 辻のファイヤーバードスプラッシュを受けた平家がアヤカにタッチ。そのアヤカには回転地獄蹴り、 人工衛星ヘッドシザース、クルックヘッドシザースなどで相手を撹乱しつつ頭部へのダメージを蓄積させ、 交代後の加護が駆け上り背面エルボーからデルフィンクラッチでカバーにいく。 頭部のダメージによって思い通りに身動きを取れないアヤカ、ここで3カウントを許してしまい惜しくも敗退。 加護・辻組が安定して勝ち星を重ねてきている。 (17分35秒、デルフィンクラッチ) 第5試合「市井&保田組」対「りんね&柴田組」 「もう一度大きな結果を残したい」と2度目の金星獲りに意欲を見せるりんね・柴田組。 しかし試合巧者の保田が行く手を阻み、重みのある打撃と投げ技の連発で相手の技を封じさせる。 確実にフィニッシュへ持ち込む布石を作った後、クリーンな状態で市井にタッチ。 アックスボンバー、スピニングトーホールドを雨あられに繰り出しりんねの動きが止まったところで、 スーパーボムをリングの中央で決め、3カウント。 反抗することも出来ずに、相手の思うツボにハメられてしまったりんね・柴田組。 ここで金星の座を諦めずに、今度こそは劇的なピンフォール勝ちを収めてもらいたいところだ。 (15分53秒、スーパーボム) |