第1試合「後藤&安倍組」対「加護&辻組」 猛暑が続き、夏真っ只中の今日。だがそれ以上に熱い闘いを続けているのが、 ファイモニ「最強アイドルコンビ決定リーグ戦」だ。 波乱に波乱を呼ぶ試合が行われている中、後半戦を迎えていよいよ大詰め。 最強タッグの座を求めて各チームが凌ぎを削る。 今回も、第一戦目からバチバチと火花が飛び交う激しい肉弾戦となった。 その一戦が、お互いに拳を交えるのを楽しみにしていたという、このカード。 スター性抜群の両チーム、観客を大いに沸かせてくれること間違いないであろう。 序盤は押しも押されずの互角な戦い。どの選手も動きが軽快で、コンディション万全の状態で 試合を迎えていると言っていいだろう。 試合中盤。辻がねちっこいグラウンドの攻防に徹し、後藤に思い通りの技を出させない。 2度もブレーンバスターを後藤が切り返され、安倍交代後もが然、辻のペースに。 スクリューハイキックを2発浴びせ、早くも辻が勝利を掴むかと思われたが、ここでようやく安倍が 反撃に転じる。ショルダーネックブリ―カー、スーパーダイビングヘッドバットを正確に決めて、その後に 安倍の一発逆転技の代名詞となった、ハリケーンドライバーが炸裂する。 しかし交代後の加護が、安倍、後藤に対しても大技ラッシュに取りかかる。 ブロックバスターホールド、メキシカンストレッチ、ブリティッシュフォール、マウントモンゴリアンチョップなど 高度なテクニックを要する技を、おもちゃ箱のように次々と切れ目無く繰り出し、 ここ一番の勝負で使われるスイングフランケンシュタイナーを決め、フィニッシュに持ち込む。 これが決まったかに見えたが、レフェリーはカウント2と告げる。なんとか後籐、難を逃れる。 その後に足掛け延髄斬り、フライングニールキックをヒットさせた後籐が、背水の陣で最後の賭けに出る。 デルフィンクラッチ、ランニングヒップドロップ、ジャックナイフ固めと何度もフィニッシュに追い込まれるが、 「これ以上黒星を付けさせる訳にはいかない」という執念が、奇跡的にカウント2.9で肩を上げさせる。 固められればスモールパッケージ、グラウンドコブラで固め返し、クロスアームサンダーファイヤーで 逆転勝ちを狙う。そして加護を場外に落とし入れると、スワンダイブ式ミサイルキックがクリーンヒット。 まさに「特攻魂」の一撃。 しかしこんな状況下でも余裕で反撃技を繰り出せるという、類稀な能力を持っている加護。 場外マットで受け身の取れないブリティッシュフォールを軽々決めてしまう。その後の場外戦でも再び出し、 そこから危険技・コブラクラッチスープレックスまでもやってのける。ある意味無敵な存在である。 大ダメージを負いながらも必死に一人で立ち向かって行く後藤に対し、加護は余力を残す辻へ交代し、 最後の仕上げに取りかかる。 辻の体力は温存されてると思われていたが、後藤の丸め込み技ラッシュで何度もカウント3ギリギリに 持ち込まれ、窮地に震い立たされる。 お互いが固め技の連発で、気力を奪い合う激戦を展開するが、どちらもカウント3を譲らず、 試合時間25分を超える壮絶な体力戦に持ち込まれる。 引き分けになるかと思われたが27分50秒、勝負を決めたのは辻だった。 両者KO寸前の、フラフラな体を引きずり起こしての回転地獄蹴りから出したダイビングボディプレス。 ここで完全に両者が力を使い果たし、勝負の幕は下りた。 (27分50秒、ダイビングボディプレス) 第2試合「飯田&石黒組」対「市井&保田」 さすがに両チーム共にコンビ歴が長く、パートナーを尊敬し、信頼し合うチーム同士ということで、 洗練されたレスリングの攻防が展開される。 切り込み隊長的な存在感の保田が体力を着実に削った後に、万全の体制で市井が 大技のラッシュで締めくくるという、お得意の必勝パターンをこの試合でも狙っている市井・保田。 対する飯田・石黒も、残り体力・スタミナを感じさせない、攻撃的で堂々としたパワーファイトを展開する。 その中で特に快調な滑り出しを見せているのは保田。低空ドロップキック、ニークラッシャーなどの 一見地味と思える技も、大技の繋ぎとして有効に使いこなしている。 金・銀に散りばめられたきらびやかなコスチュームとともに、ギラギラとした輝きを放っている。 この試合、最初に大技を出していったのは飯田。対石川・吉澤戦を彷彿とさせる豪快な ワイルドボム2連発で、市井の息の根を止めにかかる。 そしてその後には「人間魚雷」という言葉そのもの、体ごと場外へ突っ込むトぺ・スイシーダまで決める。 この辺のプロ根性も、ベテランとして他の選手とは一線を引いている。 この2人が顔を合わせたところで、会場のボルテージは最高潮。 飯田がハイアングルチョークスラムで動きを止めにかかり、ミドルキックの連打後に場外へ保田を落とし、 両手上げ挑発アピールでプレッシャーを大いにかけさせる。 だがリングイン後、保田が軽くトーキックを浴びせてからのダブルアームフェイスバスター“ぺディグリー”で 一瞬の反撃。そしてバックを取り、最近見せてなかったタイガースープレックス’85を解禁。 石黒には場外でのタイガードライバーが炸裂し、保田一色のムードに包み込む。 リングに戻った後、必殺ペディグリーから切り札的極め技、フィッシュストレッチスリーパーで最後の締めくくり。 この技で保田とのシングル戦にギブアップ負けを喫した石黒。「2度はなるものか」と、 フラフラの腕で必死に振りほどく。 保田のラッシュはまだ終わらず、キックでダウンさせてからのダイビングダブルニープレス、そこから 満を持しての決め技、サムライボム。しかしカウント2.9、まだ試合を諦めない石黒。 そして見せたのは対石川・吉澤戦での劇的な切り返し技、ワンハンドチョークスラム。 自分らしさを充分にアピールし、ガンつけ→延髄斬りをこんな場面でもあえて見せる。 そこから起き上がらせての逆さ押さえ込みで、一発逆転フォール勝ちを狙う。 しかしここはなんとかギリギリで、保田の肩が上がる。 ここで保田の重たいニーリフト連打が石黒を捕らえ、再び攻めに入る。全身を震え上がらせるような 胸張りアピールから、ランニングKニールを決めて最後の最後の切り札、フィッシュストレッチスリーパーを 全力を尽くして絞め上げギブアップコールを待ち構える。 しかしまだ勝ちを譲らせない石黒。ここでも起死回生技、ワンハンドチョークスラム。そこから ハワイアンクラッシャー、アウトサイダーズエッジ、延髄斬りと猛牛の如く破壊技で襲い掛かり、 ロープに振ってのジャンピングニーパットを決めて万全の状態でカバー。 「これほどのダメージを負わせてカバーを返される理由が無い。」間違い無く石黒は、そう確信したであろう。 しかしそんな想いを打ち消すように、カウント2.9で返す保田。 もはや本能だけで市井の所へ手を差し伸べタッチに向かう。 この試合、まだ大技を一度も喰らってなかった市井。こんな場面も、市井・保田の作戦に見えて仕方が無い。 だがその市井にもアウトサイダーズエッジで軽々と持ち上げてしまう石黒も脅威的。 そして延髄斬りを見舞うが、何事も無かった表情で市井が、ジャンビングツームストンをまじまじと見せつける。 そして石黒のダメージ具合が計算された、絶妙なタイミングでの三角跳びボディアタックで市井のフォール。 石黒が返せたかに見えたが、惜しくもレフェリーのカウント3がそれよりも早く、ピンフォール。 加護・辻組と共に、市井・保田組が4勝目を上げた。 (20分57秒、三角跳びボディアタック) 第3試合「石川&吉澤組」対「中澤&福田組」 同率首位による頂上対決となったこの試合。ここで勝ったチームが、そのまま優勝に 漕ぎ着ける可能性が高いと見ていいだろう。 パワー&グラウンドでの戦いを好む中澤・福田に対し、テクニック&スピードで短期決着を狙う石川・吉澤。 全く異なるファイトスタイルを持つ両者が、それぞれのイズムを全面に見せ合う試合となった。 吉澤が、バランスの取れた体型からムラの無い技の繋ぎで、徐々に流れを自分のものとする。 相手にペースを奪われつつある福田。しかしその後、眠れる野獣が目を覚ましたかのように、 ストレッチバスターで吉澤を頭上へ持ち上げてから叩きつけ、強引にペースを握りにかかる。 ここは冷静に対処し、ピンチを切り抜ける吉澤。勝負はやがて、中澤・石川の対戦に入れ代わる。 お互い押しも押されぬ展開を見せる。相手の技を喰らいつつも自分の持てる技でことごとく返し、 両者譲らずのイーブン。 開始10分を過ぎたところで、石川が卍固めを連発し、それを受けて中澤が交代。 そして福田にもコーナー逆さ吊りからトラースキック、十字切りアピールをしてのフラッシングエルボーで、 石川にペースが傾きはじめる。しかし福田も技を喰らい続けるのを阻み、一本背負いでの一瞬の切り返しや、 胴絞めスリーパー、ドラゴンスリーパーの絞め技で、石川にもプレッシャーを与えにいく。 そしてコーナーへ串刺しにされた状態から決めたノーザンライトボムで、福田が巻き返し。 スリーパースープレックス、高角度抱え式バックドロップといったお馴染みのフルコースが飛び出し、 石川KO寸前。だが吉澤へ交代後、福田がペースを崩しはじめる。 先程の大技ラッシュによって、自らが呼吸困難に。その後にパワーボムを出そうとするが力が入らず、 ショルダースルーで場外に落とされる。だが吉澤も、思う様に技を仕掛けることが出来ていない現状。 少ないスキを見逃さず、福田がヒールホールド、ストレッチバスタ―→ベイダーアタックから再度 ヒールホールドを決めて、吉澤得意のフロントハイキック、逆回し蹴りといった蹴り技を封じさせる。 しかし福田、バックを取るのに失敗し、STOでようやく吉澤が巻き返しを図る。 男気溢れる両手ガッツポーズから、垂直落下式のバックドロップ。そして拷問式コブラツイストで 首をねじ上げるが、振り解いた直後、福田のノーザンライトボムが再び火を吹く。 そして中澤に交代し、グロッキー状態の吉澤へタイガースープレックスホールド。 これは危ないところでなんとか吉澤、カウントが間に合う。 窮地に追い込まれている吉澤だが、にも関わらず高角度パワーボムを決め、中澤をフォールする。 そこからSTO→両手ガッツポーズ→ストンピングの連打で弾みをつけて、もう一度高角度パワーボム。 そして拷問式コブラツイストで再度ギブアップを狙うが、振り解いて中澤がバーニングハンマー。 福田の時と同様、慣れない連携によって自分が痛手を負うこととなってしまう。 その後高速バックドロップを喰らい、石川にタッチ。ここで吉澤が交代したのが、巧を制す結果となる。 石川の変形ツームストンからの背面式片エビ固めが、まさかのカウント3を入れさせる。 まさに一瞬の判断が、逆転勝利を呼び起こしたのである。奇跡的とは言いながらも、このタッチワークこそが 石川・吉澤チームの強さを決定づけている一因であろう。 (21分37秒、変形ツームストンパイルドライバ―→背面式片エビ固め) 第4試合「矢口&ミカ組」対「平家&アヤカ組」 前回の試合ではコンディションの悪さが目立ち、痛い負け方をしてしまった矢口・ミカ組。 気を取り戻してここから勝利を重ねていきたいところだが、この日も相手に押され気味の展開を迎える。 序盤こそ矢口がペースを握っていたが、ミカがアヤカの勢いに乗った攻撃に捕まってしまい、続く矢口も 思うように反撃できないまま、終盤に持ち込まれる。 この日は平家の十八番技が次々と唸りを上げ、大物食いの意気を漂わせる。 パートナーへのタッチで脱出を続ける矢口・ミカを捕まえてはロックボトム、ノーザンライトスープレックス、 ミチヨカッターで自分の領地に引きずり込み、ヘトヘトになった矢口をダブルジャーマンで鮮やかにピンフォール。 この日もまた、大技を出せないまま敗北してしまった矢口・ミカ組。後藤・安倍組を粉砕した あの勢いはどこへ行ってしまったのか、スランプに陥る実力派コンビ。このまま終わるわけには・・・! (14分11秒、ダブルジャーマンスープレックス) |