ファイモニ「最強アイドルコンビ決定リーグ戦」

〜第七回戦の試合カード〜

・第1試合 「後藤&安倍」VS「りんね&柴田」 ・第3試合 「石川&吉澤」VS「加護&辻」
・第2試合 「飯田&石黒」VS「今井&島袋」 ・第4試合 「矢口&ミカ」VS「市井&保田」



第1試合「後藤&安倍組」対「りんね&柴田組」


序盤、「負けてられない!」と気合いを入れている安倍の「バカヤロー!」「テメー!」という
罵声が頻繁に飛び交う。後藤もそれに弁乗して、静かながらも内に秘めた闘志を相手にぶつけていく。
DDT、リバーススプラッシュ、フライングニールキックと中技で確実に繋ぎ、相手体力の減り具合を
見計らったところで7分50秒、後藤が十八番デスバレーボムを柴田に炸裂させる。
ここで早くもカウント2.9を数え、早期決着に臨む後藤・安倍。

続いてスクラップバスター、ランニング1回転ドロップキックとムラの無い連繋攻撃で圧力を加える。
交代したりんねへも、足掛け延髄→鎌固め、ランニングドロップキックでフィニッシュを積極的に狙っていく。
しかし、雪崩式フランケンシュタイナーへいこうとしたのを雪崩式スイングDDTでりんねに決め返されてしまい、
後藤がグロッキーに。

そのままりんねが挽回していきたいが、ウルトラウラカン・ラナのタイミングを計算違い、
逆に致命的にダウンを喫してしまう。チャンスを確信した後藤、デスバレーボム、ドラゴンスープレックス、
グラウンドコブラツイストと豪快な大技ラッシュでピンフォール必至。

必死にそれを耐え抜いたりんねが交代するも、柴田もフィニッシュの餌食に.。スモールパッケージ、
クロスアームサンダーファイヤーと持てる大技全てを出し切る後藤、その後続く安倍も、ジャンピングDDTから
超肉弾プレスを決め、カウント2.9の危機を何度も相手に与えさせる。

二度目の超肉弾プレスもカウント2で返し、よく粘っている柴田ではあったが、何も抵抗させてくれないまま、
ハリケーンドライバーでカウント3が決まり、撃沈。
りんね・柴田組が残しているあと3試合が、全てトップ争い真っ只中の強豪チームとの対決ということで、
金星獲りは難しい状況となってしまっている。

後藤  ○安倍  対  りんね ×柴田
(15分53秒、ハリケーンドライバー)

注目の一戦
第2試合「飯田&石黒組」対「今井&島袋」


飯田がプロレス入団当初から、ライバル関係にあった今井。この二人の直接対決はこれが久し振りとなる。
プロ意識を強く持っている二人であるからこそ、勝敗を超えた熱い戦いを約束してくれることだろう。

飯田のチョップと今井のナックルのドツキ合いで試合が開幕、観客の視線が一点に集中する。
交代を受けた島袋も勢いに乗っている。失敗を恐れることなく長身の飯田へジャンピングバックドロップ、
フロッグスプラッシュと一気にスパートをかけていく。

この後も早い時間帯で大技合戦が繰り広げられる。石黒が豪快なぶっこ抜きバックドロップ、その石黒に対して
今井がジャックハマー。開始8分でこんな展開を迎えられるのは、プロレスラーとしての自覚を人一倍に持っている
両チームだけの特権であろう。

石黒が入れ代われば飯田の猛ラッシュ、今井が入れ代われば島袋の大技が火を吹き、4人全員が
この熱い闘いを演じる主役に躍り出ている。まさに彼女たちが「マットに舞う地上最強のシンデレラ」と
呼ぶにふさわしいと言えるだろう。
細かい理屈を抜きで、この闘いの熱気を文で伝わらせることが出来ればと思う次第である。
あえて文章で表現することが難しいほど、両雄の戦いは凄まじいものだった。

ここで勝敗を言ってしまうと、今井が石黒との場外戦で出したランニングパワーボムが決め手となり
リングイン後、呼吸を乱した石黒へ高速バックドロップ、そこからの片エビ固めでピンフォールとなった。
最近の活躍振りには目を見張る飯田・石黒組にとって、「惜しい!」負けとなってしまったが、
こんな試合を見せてくれた彼女たちに、感謝の意を込めたい思いである。

飯田 ×石黒  対 ○今井  島袋
(23分18秒、高速バックドロップ→片エビ固め)


第3試合「石川&吉澤組」対「加護&辻組」

この直接対決で石川・吉澤組から勝ちを納められれば、同率1位に昇れるチャンスを持っている加護・辻。
今井・島袋組から勝利を奪った変幻自在のコミカル殺法がこの試合でも爆発するか、期待と楽しみを
兼ね備えた一戦である.。

序盤はほぼ互角。しかし若干ながら、吉澤が長滞空ブレーンバスターで何度も叩きつけ、腰へのダメージを
蓄積させたのが有効となり、中盤有利なペースを迎える。

石川が変形ツームストン、エクスプロイダーと大技ラッシュを予感させてペースを上げる。
加護・辻もストレッチ、切り返し技を器用に使っていくが、これといった大ダメージ技を出せていないのも事実。
吉澤のオレンジクラッシュ、高角度パワーボム、投げっぱなしジャーマンも決まり、フィニッシュ間近のところまで
攻め込まれる。
そして吉澤2発目の高角度パワーボムがいい位置で決まり、カウントが入るかと思ったが、
加護もいい粘りを見せる。意外と打たれ強く、体力が少ない状態でも返し技を狙っていけるところが、
加護・辻組の強みである。

試合終盤、相手に押されながらも辻が、オレンジクラッシュを切り返しての剃刀ブレーンバスターで
急な角度に打ちつけたり、ムーンサルトキック、駆け登りムーンサルトアタック、前方回転エビ固めと
連繋していくことで、確実に相手を追い込む体制へと持っていく。

そして石川に、こないだの試合で勝利を決めたダイビングボディアタックを、これでもかと2連続で決めていく.。
これを意地で返す石川。串刺しDDT→鎌固めでフィニッシュへの布石を作るが、その後の技を逆さ押さえ込みで
切り返され、不意を突かれた石川、クラッチを外すのに1テンポ遅れてしまい、痛恨の3カウント。

無敵と恐れられた石川・吉澤組が2敗目を数え、優勝の行方は分からなくなった。
ますますこれから、彼女たちの闘いに目が離せなくなりそうだ。

×石川  吉澤  対  加護 ○辻
(23分17秒、逆さ押さえ込み)


第4試合「矢口&ミカ組」対「市井&保田組」

この試合、矢口こそは調子が悪くなかったものの、「日本の夏はベリーホットね」と夏バテに陥って
しまっているミカが、いい動きを見せられずに保田の巧みな戦術にはまってしまう。
ミカを場外に投げ捨てると保田が、「頭を冷やせよ」と頭指差しアピールを見せつけた。

その怒りを買った矢口が、ペースを上げて一気に保田に食らいつくが、冷酷無比の後頭部低空ドロップキックを
2発浴びせられてしまい、思うように大技を仕掛けられない。そしてサムライボムで逆にフィニッシュを狙われる。

ここで矢口がマリッペスパイク→裏DDTを決めたものの、交代後の市井から元祖フランケンシュタイナー、
アックスボンバーを立て続けに喰らってしまい、ミカにタッチ。そのミカへも容赦無く大技を連発する市井。
ブリザードスープレックス、スピニングトーホールド、Hエッジと重ねていき、市井の独壇場となる。

ミカが反撃の機会を伺っていたかに見えたがもろともせず、マヤ式ジャーマン後のスーパーボムでカウント3。
これにより、加護・辻組に次いで市井・保田組も首位に躍り出た。

「個人での実力だけでは勝ち続けることは不可能だ」ということを証明させる結果となったこの大会。
パートナーを本当に信用できるチームだけが、チームを優勝に導くための鍵を握っている。

矢口 ×ミカ  対 ○市井  保田
(14分26秒、スーパーボム)


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