RISING SUN

−2日目試合結果−




〜第5試合〜
中根 美宇 VS 柴井 太呂香


初日のSAORI・宇座子戦同様、こちらも初対決。それぞれ大会で結果を残しているだけに、各団体代表として負けられません。開始直後からアメリカンフックとソバットでラッシュをかける美宇、張り手を得意とする柴井とのしばき合いを予感させます。

そして執拗に柴井を何度もコーナーポストへ叩きつけ、ストンピングの連打。北海の狼女・美宇が、いつも以上に危険な香りを漂わせ飢えた狼を連想させます。この美宇に対し柴井も何度もコーナーへ叩きつけ対抗しますが、逆にパイルドライバーを決めた美宇が、腕ひしぎ逆十字固めへ持っていきます。

まずはラフ攻撃で先制を取った美宇に対し、ここから柴井もぶっこ抜きブレーンバスターを2回決めて骨法流掌打、掌底アッパーといった得意のしばきを展開、中盤を支配しに行きます。そして美宇の腕ひしぎに対しストラングルホールドαで仕返し。そこからフィッシャーマンズスープレックスに持っていきフォール。2カウントを数え、柴井がここから一歩リードします。

さらに骨法流掌打からジャンピングハイキックを命中。バックを取ってすかさずジャーマンスープレックス。トントン拍子に技をかけていく柴井。自らの拳に魂を込めると、再びバックを取って2発目のジャーマン。これもなんとか美宇が2で間に合わせますが、ピンチが続いていきます。その後バックを取り返しスリーパーをがっちり決めていきますが、ロープに振られジャンピングフロントハイキックを顔面に直撃。

最後の仕上げにとりかかる柴井、コーナーへ寄せ雪崩式へ。しかし動きをよく見ていた美宇、起死回生のパワーボムを狙います。ところがこれは柴井がショルダースルーで切り返し、と思いきやそのままリバーススープレックスでフォール。これは返すのが一歩出遅れてしまった美宇、痛恨の3カウント。

ひとり名勝負数え歌と称される美宇、この試合も激しい試合が予想されましたが、挫折を知らない武者逝の中年若手レスラー・柴井によって、時期早々に決着をつけられてしまいました。

×中根 美宇  対  柴井 太呂香○
(8分02秒、リバーススープレックスホールド)



〜第6試合〜
ドラゴン・ブレード VS 柳澤 蓮


パロXジュニアの代表・イチヒロからフォールを奪ったドラゴンと、怪変隊ヘビー級トップ・デルゾウからタップを取らせた柳澤による強豪対決。フラッシングエルボーや後頭部への低空ドロップキックなどを駆使し、若干リードしているのは柳澤ですが、ドラゴンもジュニアというウェイトを生かしたロープワークからのスクリューハイキックや剃刀ブレーンバスター、柳澤に対しフラッシングエルボーを決めるなど充分に対抗しています。

先に大技を仕掛けたのは柳澤、7分台ダブルアームスープレックスを2回決めてからのドラゴンスープレックスで初めてフォールに行きます。そして8分台にはハワイアンクラッシャーから必殺スタンディングヒールホールドへ。そしてそこから再びハワイアンクラッシャー→スタンディングヒールホールドという連繋を決め、ドラゴンを追い込みます。

さらにシャイニングウィザードを決め四の字ジャックナイフでフォール。万全の体勢に持ち込みましたが、ドラゴンが2カウントで返し、粘ります。これほどの大技を喰らいつつも余力を残すドラゴン、剃刀ブレーンバスターからギロチンドロップ。しかしすぐさま柳澤もSCスタナー。

低空ドロップキックも随所で確実に決め、自慢の脚殺し攻撃を忘れない柳澤ですが、この後ドラゴンが一瞬のスキを突くとコーナーへ登り、高難度技・カンクーントルネード敢行。そこからロメロスペシャルに捕らえ、ピンチの状況下においても華麗なファイトを見せるドラゴン。

しかし華麗といえば柳澤も負けていません。雪崩式からフランケンシュタイナー。低空ドロップキックから高速のドラゴンスクリュー。十字を切ってフィニッシュ宣言し、そのまま四の字ジャックナイフに固めフォール。3カウントが入り、ヘビー級の柳澤が勝利を奪いました。

×ドラゴン・ブレード  対  柳澤 蓮○
(12分09秒、四の字ジャックナイフ固め)



〜第7試合〜
リカッチ&SAORI VS 凄井 宇座子&紀所 伊代


2日目のトリを務めるのは史上初の超新星軍とファイモニによる混成タッグ・SAORI&リカッチ組vs武者逝・宇座子&紀所組。お祭り的なマッチメークとはいえ、前日の試合ではSAORIに完敗した宇座子。同団体であるリカッチが相手だろうと、完膚なきまでに叩きのめす姿勢で行くつもりでしょう。

その予想通り、開始直後から宇座子がリカッチへ胸張り手を乱打。時折脳天エルボーも織り交ぜるなどなりふり構わずリカッチを攻撃、狙い通りに時期早々SAORIへ交代させます。そしてSAORIがリングインし、場内の緊張が高まります。しかし宇座子、この緊張を振り払うように紀所へすぐ交代。これもSAORIへの心理作戦なのでしょうか。

この態度に怒りを覚えたか、SAORIが4分いきなりのエクスプロイダー。強引に宇座子を引き戻そうとします。これに応えるように宇座子がリングイン。紀所とのWドロップキックを炸裂させしてやったりの表情を見せます。そして宇座子、前日の復讐とばかりに剃刀ブレーンバスター2連発からチキンウイングアームロック。さらに顔面を肘でエグり、恐い宇座子が覚醒します。さらに大技キャプチュードへ。これにはたまらずSAORIがリカッチへ交代、Wドロップキックを決めてかかります。

しかしこの後も宇座子ペース、フック掌底、フライングボディシザース、キャプチュードと繋がれリカッチもSAORIと同様に追い込まれます。そして宇座子がゴッチ式パイルドライバーを決めると、エプロンサイドのSAORIを横目で覗きながら尻叩きアピールで挑発。これにはSAORI、怒りに震え叫びたい気持ちをグッと心の中だけで耐えます。

その後、宇座子のブレーンバスターをリカッチが切り返し場外へ落とすと、リング下の宇座子のもとへSAORIが待っていたかのように駆け寄ります。怒りをスピンキックに込め宇座子を倒しますが、逆にモンゴリアンチョップで宇座子が仕返し、先にリングイン。すると場外のSAORIへ再び尻叩きアピール。憎らしいほどにふてぶてしいこの態度。

場内に戻ると宇座子は紀所へ交代。Wドロップキックを決め、11分台には紀所がノーザンライトボムからマヤ式ジャーマンスープレックスに固め、リカッチをフォール。SAORIがカットに入りますが、ツームストンで紀所が蹴散らし、リカッチへ再びノーザンライトボム。今度はトライアングルスコーピオンへ繋ぎSAORIを再び招き入れます。

ファイモニ代表として、SAORIの足を引っ張るわけにはいかないリカッチ、ショートレンジからフライングニールキックを命中。2度目のトライアングルスコーピオンを決められるもその後ゴッチ式パイルドライバー。SAORIに交代し、2度目のゴッチ式パイルドライバー→SAORIのダイビングボディアタックという連繋で逆襲。

しかしカットに入る紀所がSAORIへバイアグラドライバー。ダブルブレーンバスターも決まり、ここから再び武者逝チームが引き離します。16分には宇座子がうつ伏せのSAORIを踏みつけながらの腰振りアピール。そこからランニングのヒップアタック→こんぴら山ジャーマンと繋ぎ、勝利は目前に迫ります。

しかしこの時カットに入ったリカッチが鎌固めを決めると、その後宇座子を必殺チャーミー・リカスプロイダーで投げつけ驚きの展開。このアシストにSAORIが勝機を見出したか、サンセットフリップで追い撃ちし、ジャックナイフ固め。ここで4人が入り乱れ、紀所がリカッチへムーンサルトプレスを決めますが、SAORIはその間ウラカン・ラナで宇座子をフォール。カウント2.9に追い詰めます。

この後再び宇座子が腰振りアピールで屈辱を与えますが、かえってSAORIの炎を燃えあがらせてしまったのか、フィニッシュを狙いバックを取るもオーバーヘッドキックで切り返され、SAORIのブリザードスープレックスが決まります。紀所がカットに入ると首を掻っ切るアピールで宇座子の勝利を予告しますが、紀所を場外へ蹴散らしたSAORI、宇座子のバックを取り垂直落下式バックドロップ、背後からの延髄ニールキック。

いよいよ逆転勝利への切符を掴んだSAORIですが、まだ余力のある宇座子がゴッチ式パイルドライバーを決めると、またしても尻叩きアピール。ランニングのヒップドロップでカバーし、カットに入ったリカッチへは紀所がセントーン。しかし宇座子のバック取りはリカッチがカンガルーキックで阻止、ここでSAORIが弓引きガッツポーズからフライングラリアットを勢い良く決めていきます。

自分の手でSAORIから勝利を奪いたい宇座子でしたが、これはじっと我慢し紀所へ交代。勝利のバトンを手に取り、紀所がSAORIをドラゴンズ・レイに固めます。これをリカッチがカットし十字を切ると、SAORIがラ・マヒストラルで固め返し。一瞬決まったかと思うほどのギリギリでなんとか紀所が返します。今度はSAORIに勝利が傾いているのか、宇座子へリカッチがリカスプロイダーを決める間、ウラカン・ラナで再び紀所をフォール。これも惜しくも2カウント。

ドラゴンスクリュー、上段後ろ回し蹴りと繋ぎフィニッシュの体勢を整えるSAORI、バックを取りますがこれは紀所がレッグスピンで切り返し。再び首を掻っ切るアピールを見せ鬼童クラッチへ。しかしこれは位置が悪かったか、リカッチがすぐにカットへ入り、紀所へ旋回式ボディプレス。

この状況で、なぜか宇座子が尻叩きアピールで余裕の素振り。この油断を見てSAORIが紀所へ再びラ・マヒストラル。これに気付いていない宇座子がカットに遅れピンチ。これはなんとか紀所が両肩を上げ、危機を脱出します。混戦は終了、今度こそSAORIがピンを奪えるか、それとも紀所がSAORIをおさえるのか。

紀所がバックを取りますが、これはよく見ていたSAORI、オーバーヘッドキックで切り返し。最後のチャンスに賭け、SAORIが3度目のラ・マヒストラル。自軍コーナー付近で決まり宇座子のカットは間に合わず、さすがの紀所もこれを返すことはできず、遂に3カウントのゴング。

お祭り的な試合という大方の考えをいい意味で裏切り、寒い冬をこれほどまでに熱くさせてくれたSAORIと宇座子の因縁の闘い。改めて超新星軍と武者逝が良きライバルであることを感じさせてくれる、最高の遺恨試合でした。

○SAORI  リカッチ  対  宇座子  ○紀所
(23分12秒、ラ・マヒストラル)



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