RISING SUN

−3日目試合結果−




〜第5試合〜
MARI VS 秋沢 美緒


これまでの2試合で相手にフォールを献上しているため絶対負けられない秋沢。対するMARIも、2日目・3日目ともに圧勝しているTRW勢の一人。勝負にこだわる両者の対決は、やはり勝ちたいという気持ちが先に来る秋沢、序盤は出方を伺いつつもフックやハイキックを的確にヒットさせ、早期決着の構え。マシンガンストマックニーリフト、DDTでダウンを奪えばチキンウイングフェイスロックやカベルナリアなど寝技に捕らえます。

これにはMARIも慌て気味か、トライアングルスコーピオンを2回決めに行ったりロープワークからスクリューハイキックを狙うなどしますがこれは空を切り、有効打にはなりません。このスキを突いた秋沢が7分、必殺「ヴァーミリオンスパロー(ブラックカイザーボム)」を豪快に決めます。

圧勝ムードも漂いはじめたか、カウンターのトラースキックで弓引きガッツポーズ、そしてダイビングフィストドロップ。さらに串刺しDDTからフィッシュストレッチスリーパーに移行します。しかしこれは耐え凌いだMARIが、逆にフィッシュストレッチスリーパーに捕らえ、はずれるとDDTから駆け登りムーンサルトプレスで逆襲。

秋沢が再び串刺しDDTを決め腕ひしぎに持っていきますが、これもギブアップは奪えず、MARIが一回転ドロップキックを2発ヒットさせます。そして3発目を狙いますがこれは当たらず、この後も秋沢が執拗に腕ひしぎを何度も決めてかかります。

満を持して、2発目のヴァーミリオンスパロー。これはさすがに返せないと思われたMARIですが、奇跡的に2で両肩を上げます。これでもまだまだ己の力を信じ続ける秋沢、手を止めることなくフェイスロック、腕ひしぎと連続でギブアップを迫り続けます。

これでもギブアップをせず脅威的な粘りを見せるMARIでしたが、「これで終わりだ!」と秋沢が、思いっきり振りかぶっての拳ストレート一閃。これでMARIは完全にノックアウト。秋沢が背後から駄目押しのハイキックを決めての腕ひしぎ逆十字固めにMARI反応なく、レフェリーが試合を止めて終了。秋沢が本領を十二分に発揮しての勝利で幕を終えました。

×MARI  対  秋沢 美緒○
(11分35秒、腕ひしぎ逆十字固め)



〜第6試合〜
ドラゴン・ブレード VS ハイルン


恐らくドラゴン・ブレードにとってこの試合は未知の勝負。190cmを軽く超える長身のハイルンのパワーを、空中殺法で抑えられるか。その期待に応え、序盤はほとんど互角に勝負するドラゴン、ハンマースルーでコーナーへ叩きつけたりボディスラムで場外へ落とすなど翻弄します。

これにハイルン、長滞空ブレーンバスターやハイアングルボディスラムなどパワーと体格差をもろに見せつける技を連発しますがドラゴンも高速ドラゴンスクリューから足四の字、ダイビングエルボーをかわしてのロメロスペシャルなど、これまでにも増して俊敏な動きを見せつけます。

そして7分、DDTからセカンドロープでのローリングセントーン。ハイアングルアトミックドロップを決められるもスクリューハイキックで巻き返し、遂にはカンクーントルネードも敢行するなど手数で完全に上回ってみせます。

一発の重みで対抗するハイルン、フライングラリアットを豪快に決めるも再びスクリューハイキックでペースを引き離すドラゴン、エプロンへ待機すると、ウルトラ・ウラカン・ラナでハイルンをフォール。カウント3も一歩手前まで持ち込みます。

予想外に不利な展開を迎えたハイルン、これをなんとか打破しようと、ぺディグリーから投げっぱなしジャーマン。ここからのフォールはカウント2。さらにハイアングルアトミックドロップを決め、胸張りアピール。フィニッシュに取りかかりますが阻止したドラゴン、自らの強さを誇示するような、会場見渡しアピール。

ドラゴンスリーパーでハイルンを捕らえると、その後ローリングセントーン2連発。そして再びスクリューハイキックからのウルトラ・ウラカン・ラナ。これもきわどいカウント2.9、ヘビー級からの大金星も目に見えます。

ハイルンが立ち上がればすかさずドラゴンも立ち上がり、必殺「ドラゴンドライバー(バイアグラドライバー)」で再びフォールへ。遂に3カウントか、しかしこれもハイルンが2で間に合い、溜め息と興奮に包まれるリング上。

今度はパワーボムの体勢に整えますが、これは持ち上がらずハイルンがショルダースルー。そしてハイルンがコーナーへ登り、全体重をかけて押し潰すダイビングボディプレス。圧殺されるもドラゴンがこれを2で返し、ハイルン信じられないといった表情。

腹部を蹴り上げ再びフォールに行きますが、ドラゴンは2で返します。するとドラゴン、サイバーマシンガンキックでハイルンをダウンさせ、再びエプロンサイドへ。これが3度目を数えるウルトラ・ウラカン・ラナで華麗に丸め込み、カウントを数えます。体力が底を突いたハイルン、これを返せず遂に3カウント。ドラゴン・ブレードがヘビー級・ハイルンから完全なるフォールを奪うという、まさかまさかの大快挙をやってのけました。

○ドラゴン・ブレード  対  ハイルン×
(15分08秒、ウルトラ・ウラカン・ラナ)



〜第7試合〜
奥井 まりあ VS ゴッツァン


Alice・ファイモニ両団体のエースがシングルで激突となるこの試合。初日ではその実力を遺憾無く発揮し勝利を挙げた奥井、この試合もゴッツァン相手に強さを見せつけるか。初日のミキスケ戦同様、この日も序盤から回り込みDDT、各種寝技などを使いペースを握る奥井。

ゴッツァンの体力の消耗を見計らい、6分には奥井がカウンターの元祖フランケンシュタイナー。ドラゴンスリーパーで首へのダメージを蓄積させ、さらには必殺ノーザンライトボムからフォールへ。これがカウント2.9、ゴッツァンがこれといった反撃も出来ず追い詰められます。

そして一本指を指してフィニッシュアピール、コーナーに登りローリングギロチンドロップ。そこからタイガードライバーに持っていき再びフィニッシュへのフォール。これもなんとかゴッツァンが2で間に合わせますが、奥井のペースには逆らえません。

開始8分、すでに勝利への準備が整っている奥井、スイングDDTから3度目のフォール。その後もハイキックからドラゴンスリーパー、背後からもハイキックを決め勝利は秒読み。エースの意地を見せたいゴッツァン、フライングニールキックを勢い良く決めギロチンドロップを落としていきますが、この反撃が最後か、逆にダウンすると奥井が首斬りアピールからすぐにギロチンドロップのお返し。

このままバックを取り、ドラゴンスープレックスを完全に決めてフォール。気力を出し尽くしたゴッツァン、返すことは出来ず3カウント。この試合も初日同様、奥井が圧倒的な強さでファイモニエース・ゴッツァンを粉砕しました。

○奥井 まりあ  対  ゴッツァン×
(10分37秒、ドラゴンスープレックス)



〜第8試合〜
柳澤 蓮 VS イチヒロ


今大会の男子興行最後を務めるのはこの二人。初日・2日目ともに期待以上に活躍を見せ連勝した柳澤と、パロジェクトX男子代表のイチヒロ。この試合の序盤はお互いのロープワーク、バックの取り合いなどテクニカルな攻防を見せます。

そんな中やはり体格で上回っている柳澤が若干リードか、四の字固め、高速ドラゴンスクリューなど得意の技で牽制し開始6分にはラウンディングボディプレス。イチヒロもこれに対しフライングボディシザース、ソバットなどの各種蹴り技を的確に捕らえて叩きつけラリアット。

先手を取った柳澤もこのままやられず、スパイシードロップ、SCスタナーと大技を繋ぎ更にはリバースフランケンシュタイナー、2度目のスパイシードロップも決め再びリードを広げます。そこからフラッシングエルボーで追い撃ちすれば、スタンディングヒールホールドへ繋ぐお馴染みの必勝パターン。

この大技ラッシュに苦しい展開を迎えるイチヒロですが、パロX代表として負けてばかりはいられず、意地のアックスボンバー2連発。そしてダブルアームDDTで一気に攻めたてます。そこからバックを取り高速バックドロップ、大技ラッシュの締めは必殺「ライトニング・ブラスター(カイザーボム)」。逆転勝利を狙いますがこれは柳澤が2で返します。

すると今度は柳澤がハワイアンクラッシャーからスタンディングヒールホールド。自らも追い込まれているイチヒロ、ニーリフトでダウンさせガッツポーズを見せますが、起き上がりに柳澤ステップ延髄ニールキック。今度は柳澤が十字を切るアピール。しかし立ち上がったイチヒロがソバットコンビネーションで再び柳澤をダウン。

蹴り技には蹴り技、アピールにはアピールという一進一退の熱い攻防が続いていきます。ここからイチヒロが延髄斬り、カウンターでのカニ挟みから腕極めフェイスロックに捕らえますが解いた柳澤が体勢を入れ替え四の字ジャックナイフ固め。攻め込んでいたイチヒロも危うく3カウントが決まりそうになります。

ここから柳澤が再び反撃に。ステップ延髄ニールキックからスタンディングヒールホールド、シャイニングウィザードから足四の字固め。これをなんとか耐え切ってみせるイチヒロ、ニーリフトで倒してSTF。これもギブアップは奪えず、ニーリフトで再び倒してのガッツポーズで気合いを入れ直し、バックを取ります。タイガースープレックスに持ち込みますが柳澤が膝のあたりを蹴り上げて阻止。

すると柳澤が十字を切るアピール、4度目の必殺スタンディングヒールホールドに持ち込みます。もはやイチヒロもここまでかに見えましたが、体を反転させての蹴り技で脱出に成功し、逆にカバーへ。スキを突きましたが柳澤が冷静な判断力でフォールを返します。

イチヒロが勝利を掴むためのラストスパート、ドラゴンスリーパーで落ちる寸前まで絞め上げクラッチを外すとダブルアームDDTへ。これでもまだまだ起き上がり起死回生を狙う柳澤、どちらが先にフォールを決めるのか、緊迫感で揺れ動く会場。そして2度目のライトニング・ブラスターに持ち込み最後に賭けたイチヒロ、フィニッシュのフォール。

2度目のイチヒロの必殺技で、遂に3カウントのゴング。デルゾウをも破ったヘビー級の実力者・柳澤とは体格的にハンデを付けられながらも、代表者としての誇りが全てのイチヒロ、自らの勝利で男子興行の幕を下ろすことに成功しました。

×柳澤 蓮  対  イチヒロ○
(16分10秒、ライトニング・ブラスター)



〜第9試合〜
SAORI&中根 美宇&SANGO
VS
凄井 宇座子&加成 肝子&紀所 伊代


「超新星アイドル軍vs武者逝」最終決戦となるこの6人タッグマッチ。これまでの成績では超新星軍が一歩上回っていますが、総まとめとなる最後の試合を落とすわけにもいきません。その超新星アイドル軍の中でも初日・2日目ともに自らが勝利を挙げ、勢いに乗りまくるSAORIはこの試合も支配。

ジャンピングニーからのサンセットフリップなど素早い技で宇座子の動きを封じ、代わった肝子はブレーンバスターで豪快に投げつけトップロープからファイヤーバードスプラッシュ、上段後ろ回し蹴りをクリーンヒット。そして紀所には美宇との合体パワーボムを決めつけるなど、1人で3人を圧倒するという凄まじい強さ、頼もしさを発揮します。

再び宇座子がリングに入るも垂直落下式バックドロップを決められる始末。SAORIの攻勢にいつもの強さが全くない武者逝チーム。得意のツープラトンも全て封じられ、美宇が紀所へアックスボンバー。この後カットに入る宇座子の手を借りようやく最初のWブレーンバスター。そして交代した紀所が最初の大技、餅つき式パワーボムでなんとか反撃を開始します。

この後は頻繁に混戦が繰り広げられ、どちらが攻めているのか分からなくなる混沌とした展開。そんな中SANGOが宇座子にリバースタイガードライバー。そして試合権利を持つSAORIが延髄ニールキック、垂直落下式バックドロップ、ブリザードスープレックスと鮮やかに繋ぎ肝子をフォール。

そして交代した宇座子には必殺エメラルド・フロウジョンを決めジャックナイフ固めへ。SAORIが中盤に入っても試合を支配し続けます。ここで再び混戦に。こういった多数での闘いは武者逝が上回るのか、紀所がSAORIをジャーマン、そして宇座子は美宇へ「漬物石落とし(地獄バックドロップ)」を敢行。

この混戦が終わるとSAORIがファイヤーバードスプラッシュで再び宇座子をフォールしますが、すぐにカットへやって来る紀所と肝子。すると武者逝3人が強烈な同時パフォーマンス、宇座子の腰振りダンス&肝子のパワーボム&紀所のムーンサルトプレスという武者逝ならでは、武者逝でしかできない、武者逝でしかやらない戦慄のチームプレーを見せ、今までやられた分を帳消しにします。

宇座子がSAORIをフック掌底、そこから場外戦へ持ち込みます。紀所が場外でSAORIにミステリオ・ラナを決めている間、紀所は場内で腹太鼓。これに動揺しリングへ入る美宇はコーナーへ寄り掛からせ、SANGOをキャメルクラッチ。場外ではWドロップキックから宇座子がSAORIを胴絞めスリーパーで捕らえます。

宇座子がスリーパーを解きリングへ戻る準備をしていると、場内では肝子がSANGOに「人間雑巾搾り(チョークスリーパー)」を決めており、どこを見てればいいのかわかりません。そしてようやく混戦は終了、自軍コーナー付近のSAORIがバックを取りに行きますが、宇座子が瞬間的な早業・前方裏膝十字固めに取って切り返し、これにレフェリー試合を止める仕草。

混戦が終了したばかりのためこの技を目で確認することもできないまま、会場もエプロンサイドの選手も一体なにが起こったのか分からない状況。するとリングアナが、宇座子のギブアップ勝利と発表。宇座子が意表を突いて膝のピンポイントを的確に捕らえたために、SAORIがカットを待てず瞬間的にタップアウトしたとのことです。

この結果を聞いても試合の内容を今一つ熟知することが出来ないのは、きっと取材陣の我々だけではないでしょう。この混沌とした空気を最後に、今大会の興行は全ての幕を下ろしました。

×SAORI  美宇  SANGO

○宇座子  肝子  紀所
(20分44秒、前転裏膝十字固め)



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