〜予選リーグ最終日・Aブロック(ヴィジュアル編)〜
伊智「激戦の続いた予選リーグも今日が最終日。これまででも最も高らかな歓声が 会場を包む中ー、Aブロックの第1試合がまもなく始まろうとしています。 ・・・とその前にー?パロXメインテーマ曲『紙上の星(女児獣人楽坊ver.)』が 流れ出しましたー。ということはオーナーが入場してくるようです。 たった今、花道からオーナーがやってまいりました!やはり武者逝勢の惨敗には 黙っていられなかったのでしょう。そしていつもの様に凄井宇座子も付き添いです。 宇座子は満面の笑みを浮かべ、漬物袋付きの名刺を観客へ手渡していますが、 オーナーはちょっと表情が堅いようです。」 |
オーナー: 「(アゴを突き出して)・・・ッ、バカヤロォーーーッ!!・・・オレは今、猛烈に怒っている。」 |
伊智「単なる武蔵のモノマネがしたかったのでしょうか。 いや、まだ何か言うことがあるようです。」 |
オーナー: 「不甲斐ない武者逝の闘いに怒っている。2日目を終えて全員全敗・・・? どうゆうことなんだ!確かにオレは勝てなくても良い試合が出来ればいいと言っている。 だが全戦負けろとは言ってない!負けて一番恥ずかしいのはオーナーのオレなんだと いうことを分かっているのか!残りのジャガスキーと阿峰も出てこーい!反省会をやる。」 |
伊智「ジャガスキーと阿峰にも声をかけました!そして今、2人が入場してきました。 なぜか入場テーマ曲はバート・バックルのテーマだー。観客も衝動的に、曲に合わせて 『YOU SUCK!(へなちょこ野郎!)』コールを巻き起こします。屈辱的なこの入場ー。」 |
オーナー: 「3人揃ってそこに並べ。おい、あのザマはなんだったんだ?分かるよなー、オレの気持ち。 口だけ喋ってあんな試合しか出来ないんだったら、ファイモニ出した方がよっぽど良かったよ。 面目丸潰れだよ。天狗になってんじゃないのかー?初心に戻ってよーく考えてみろ。」 |
伊智「いつにもなく真剣で厳しい表情のオーナー。こんなオーナーの姿は、私も今までで 一回も見た憶えはございません。それほどとんでもない事態を迎えています、パロXのリング。 そして武者逝の面々もいつになくしゅんとした表情です。やはりオーナーには逆らえないか。」 |
オーナー: 「理屈じゃない、感覚なんだよ。おいしいチョコレートケーキは口に入れた瞬間分かるだろ? 理屈じゃないんだよ。ってチョコレートケーキに例える意味が分かんないよ。某CMだけど。 そして、この3人の中でどうしようもないダメ人間がいる。それは・・・・・・・・・・・・・・・・、」 |
伊智「ダメ人間とは誰なのでありましょう。恐らく遺恨の持つジャガスキーであると 予想されますが・・・。」 |
オーナー: 「オマエだ・・・・・・・・・・・・!!」 |
伊智「なんと宇座子を指差した!!そして制裁のアックスボンバー!! なんということなんだ、更にストンピングを加えていく。 宇座子が出戻りして以来、毎回インタビューでは二人が揃って顔を出すなど その仲は急速に深まりつつあったかに見えたんですが、リーグ戦での不調が 災いし、宇座子とオーナーの仲はここで無惨にも打ち砕かれました!」 |
オーナー: 「オマエ達もやれ、オレの期待を裏切るとこういうことになるんだ。」 |
伊智「ジャガスキーと阿峰も呼び込んで、3人がかりで攻撃を加えていく!これはひどすぎる! 選手が不甲斐ない試合をしたとはいえ、善のオーナーたるものが集団リンチ制裁とは、 善いも悪いもあったもんじゃありません!ジャガスキーに憑いていた悪魔はオーナーの元に 乗り移ってしまったんでしょうか!」 |
伊智「宇座子を起き上がらせて、オーナーが膝蹴りの連打ー。そして・・・!? ブシャイクへの膝蹴りーー!!オーナーが阿峰の必殺技で宇座子をノックアウト。 更にオーナーがジャガスキーの必殺技シャウエッセン・イキデキヘンで、宇座子を 絞め落としましたー!オーナーが今、ジャガスキーと阿峰と握手を交わした! この3人が両手を高々と挙げてアピール!こんな情景を目の当たりにするとは、 誰が予想出来たでしょうか・・・。」 |
オーナー: 「確かにジャガスキーと阿峰も全敗してるけど、試合はそれなりに頑張ったし、内容も 悪くなかった。だからそれはそれで許せるし、ジャガスキーは他団体での興行では 連勝してるんだよー。遺恨はあるけど他団体での活躍見てると、正直頼もしく感じるよ。 阿峰だって初めての交流戦にしてはまずまず健闘していると思うし。 それに対し宇座子は・・・、大技の1つも出てねーじゃねーかよ!せっかくまた仲良く してあげようと思ったのに、オマエを付き添わせてた自分が恥ずかしくなってくるよ。 nWQさんのリングに一緒に出ようとも考えてたよ。今だから言えるけど。 どおりで勧善懲悪運動に誰も参加しないわけだよ。オマエには発言通りに実行できる 能力が無い。ジャガスキーの言っている事が正しかったのに今気付いたよー。 最終日の阿峰戦でも不甲斐ない試合をやったらなー、交流戦永久追放だよ! ジャガスキーと阿峰もこうならないように気をつけろよー。話は以上だ・・・。 (トーンを変え) 会場のファンの皆さぁん!これから始まる試合、思いっきり応援してくださいねぇー!」 |
伊智「・・・うーん途中まで本気で喋っていると思ったんですが、最後になって急に 声質変わりましたねー。どこまでが台本なんでしょう・・・。」 |
伊智「おっと今度は宇座子の盟友である肝子と紀所が会場にやってまいりました! 宇座子が袋叩きにされているのは黙って見てられるはずがありません!」 |
肝子: 「ちょっとアンター、オーナーだからって宇座子をここまでイジメることないでしょー!? 武者逝の看板として彼女なりに一生懸命頑張ってるんだからぁー。」 オーナー: 「オレはそこまで宇座子の醜態を我慢して応援してられる程いい人じゃないんだよー! オレは牡丹か薔薇か例えてどっちかといったらなー、薔薇の方なんだよ! 情熱的だけど冷めやすくて、心の中に棘があるんだ。オマエ達は自分がどんなに ひどい目に遭ってもそうやって耐えられて、まるで牡丹みたいだよ。」 肝子: 「それアタシが見てる昼のドラマじゃなぁーい。アハハハハッ!」 紀所: 「ガキだからって生意気にアングルなんか飾っちゃってコラー!」 オーナー: 「ナニコラ!タココラァーー!!アイコラ作んな犯罪だコラー!」 肝子: 「そんなに負けるのが悔しいんだったらなんでアタシ達を交流戦に出さないのよぉー?」 オーナー: 「確かに勝率は宇座子なんかよりオマエ達の方がよっぽどいいかもしんないけどなー、 オマエ達なんかが出たら一方的な試合連発で大会をメチャクチャにする危険性も あんだろー!他団体が活躍すること第一に考えなきゃいけないっつーんだよー!」 紀所: 「じゃあワタシ達とそこにいる半端ブサイク2人で勝負して、内容が良かったら ワタシ達にも出る権利を与えなさいよー?」 オーナー: 「試合だったらいつでも組んでやるよ。だがそれで内容が良かったからといって 必ずしも交流戦で良い内容できるとは限らないからなー。期待すんじゃねーぞ。」 |
伊智「肝子と紀所が交流戦に出る権利を賭けて、ジャガスキーと阿峰と闘いに 挑むことを申し出ました!更なる新展開を迎えましたパロジェクトX・武者逝! では、Aブロック第1試合の模様をお伝えいたします。」 |
アングル提供:自分
−第1試合−
(3299pt) 瀬川おんぷ | VS | 綾瀬 愛 (3244pt) |
Aブロックの累計ポイント1位&2位が予選突破を賭けて激突。開始直後、組みつくと早速メキシカンストレッチに捕らえる綾瀬。バック回り込みはおんぷに河津掛け落としで返されますが、その後1分台に再びメキシカンストレッチへ。対するおんぷもここからサミング、タイガースピンと持ち前のラフ&テクニックで押し返し、ロメロスペシャルを決められた直後小悪魔ビンタ3連発を見舞っていきます。ダウンした綾瀬にはチョーク攻撃で容赦無い追い打ちをかけ、立ち上がったところを再びサミング。 正面からの攻めは危険と感じた綾瀬はバックに回りこんでからレッグトリップで払い、ロメロスペシャルでグラウンドに持ち込みますが、コーナー付近であることを巧みに利用したおんぷがコーナーへ綾瀬を叩きつけるとコーナー踏みつけ。更に小悪魔ビンタ3連発をもう一度決め、ダイビングニードロップを投下します。立ち上がれば再びビンタ3連発を見舞い、飛びつき前方回転エビ固めで最初のフォール。リードを一歩取られた綾瀬、この後ロメロスペシャルを決めるも外されればすぐにダイヤモンドカッターを浴びせられ、おんぷがもう一度前方回転エビ固め。このまま引き離そうとします。 それはさせまいと綾瀬が延髄踵落とし、延髄ニールキックと連続で打ち込むも立ち上がったおんぷがフィニッシュ技のチャイドル・ロック・フォルテッシモをスタンディングから決めていき、持ち堪えた綾瀬が脇固めで対抗していくも、ブレーンバスターはおんぷが切り返し。すかさずチョーク攻撃に捕らえます。そしてロープカウンターからカニ挟みを繰り出すと、その後の綾瀬のブレーンバスターを再び切り返して場外に落とします。場外の綾瀬がリング内に戻る間、リング上で両手振り、振り向きアピールをそれぞれ2回ずつ決めるほどの余裕っぷりを見せるおんぷ、綾瀬が場内に移ればすぐにビンタ3連発で迎え撃ち。 |
馬乗り状態になり再びチョーク攻撃に行くかと思いきや、これまで見せていなかった馬乗り状態でのビンタ連打へ。掌での攻撃のため反則カウントを取られることなく7発、8発とお気が済むまで張り続けます。これには綾瀬も熱くなったか、立ち上がるとバナナスプレッドを鬼の形相で絞め上げていき、ロープへ振ってサイクロンホイップ。この後に狙った踵落としは空振りしますが組みつけばメキシカンストレッチに移行させ、腕殺しコンビネーションからサンセットフリップ、スピンキックからコーナーへ登りローリングセントーンと波に乗った連繋技が決まり、本格的な反撃をスタートさせます。 そして再びバナナスプレッドへ。これをおんぷが外すとビンタ3連発で再びペースを奪い、両手振りでのフィニッシュ宣言からバックを取りに行きますが、綾瀬がフライングメイヤーで切り返し。そのままもう一度コーナーへ登ると、今度は宙にフワッと浮かび上がる様なムーンサルトプレスを見舞っていき、フォールを狙います。3は入りませんが、確実に勝利への一歩を進み始める綾瀬、この後スピンキックで倒し観客に拍手を求めると、ランニングからのフラッシングエルボー。しかしその直後、またしてもおんぷのビンタ3連発に引っ掛かってしまい、勝利まで後一歩というところで攻めを止められてしまう綾瀬。 フラフラの状態で立ち尽くす綾瀬の目の前でドルフィンポーズをまじまじと見せつけ、もはや最後の仕上げに取りかかるだけだと豪語している様な表情のおんぷ。そこからバックを取ると飛びついての後方回転エビ固めでカバーに入り、寸分の狂いもないその完璧なクラッチの前に綾瀬が返せず、3カウントのゴング。これまでの2試合と同様、12分台というまずまずのタイムで闘いを制し、リーグ戦を全勝で終えるのに成功したおんぷ、決勝トーナメント進出か否かはこの後の「AYANOvsサユダーソン戦」の結果に委ねられます。惜しくも予選突破はならなかった綾瀬も抜群のジャベコントロールがこの試合も席巻し、鉄女TT優勝者の実力は伊達ではないことを満天下に知らしめました。 |
○瀬川おんぷ 対 綾瀬 愛× (12分06秒、飛びつき後方回転エビ固め) |
獲得ポイント | 累計ポイント | |
瀬川おんぷ | 1706pt | 5005pt |
綾瀬 愛 | 1206pt | 4450pt |
−第2試合−
(2973pt) AYANO | VS | C・W・サユダーソン (2770pt) |
AYANOの予選突破条件は15分32秒以上でのピンフォール勝利あるいは17分32秒以上でのギブアップ勝利。対するサユダーソンの予選突破条件は17分35秒以上でのピンフォール勝利あるいは19分35秒以上でのギブアップ勝利。いずれも厳しい条件下ではありますが、最後のチャンスはものにしたいところ。ロングマッチで勝利することが大前提になっていることもあってか、この試合比較的慎重な運びを見せる両者。 AYANOが若干手数で上回っているも、無理に中技を狙おうとせず、ダウンさせた後はキーロックでの腕攻めにこだわります。しかし勝負たるもの相手の出方を待ってばかりはいられないか、開始3分フランケンシュタイナーの体勢、しかしこれはサユダーソンがパワーボムで返し、その後ジャンピングアームブリーカーを決めていきます。ここは冷静に対処したいAYANO、ロープワークからショルダータックルで倒し再びキーロックに捕らえていきますが、その後狙ったブレーンバスターは逆に投げられてしまい、高速ブレーンバスター、パイルドライバー、ニークラッシャーとサユダーソンが有効に中技を繋げていきます。 この後の低空ドロップキックもサユダーソンが振り払い、ブレーンバスターももう一度切り返していきますが、高速ドラゴンスクリューは成功させたAYANO、ここからあえて脚ではなくキーロックで再び腕を絞め上げていきます。しかし立ち上がれば再びサユダーソンのペース。パイルドライバーからキャメルクラッチ、ロープワークからのサイクロンホイップ、高速ブレーンバスターと的確に技を繋げていき、AYANO2度目のフランケンシュタイナーも再びパワーボムに切り返すなど、相手の動きをよく見つつ自分のペースは崩しません。 |
そして高速ブレーンバスターからフォール。一呼吸置くと今度はフィッシャーマンズスープレックスで再度フォールし、攻めを持続します。もう一度序盤からの攻めに立ち返りたいAYANO、ロープワークからショルダータックルを狙いますがかわされ、もう一度ロープに振りリープフロッグを挟んでからショルダータックルを狙うもこれも不発、それならばとここから3度目のフランケンシュタイナーを狙いに行きますが、またしてもパワーボムに切り返されます。試合時間は現在9分を過ぎたところ。予選突破するためにはまだまだ時間を稼がなくてはなりませんが、体力的にAYANOが追い込まれた状態となり、着々とフィニッシュへの動きを見せ始めるサユダーソン。 パイルドライバーを決め呼吸を整えると、立ったところを見計らいスーパー・キック。そのまま足四の字固めに持ち込みます。これを振り解いたAYANOが高速ドラゴンスクリューから首極めアームロック、更に高速ブレーンバスターを初めて成功させ、反撃のラッシュを狙っていきますがハンマースローは振り返されると、ここでサユダーソンがお待ちかねの必殺・捻り式スパインバスターを1試合ぶりに炸裂させます。一気にピンチを迎えられたAYANOですが、この後のバック取りは取り返し、バックドロップ。キーロックに持ち込むと、今度はDDTから首極めアームロックも決めていき、腕への攻めを再開。 起き上がり際にもう一度DDTを決め、ここから何を繋げるかと思えば、腕ではなく脚に照準を定めた低空ドロップキック。意表を突いた動きでサユダーソンのペースを奪い取ろうとします。が、その直後待っていたのはサユダーソンのこの試合2発目のスーパー・キック。現在の試合時間は12分。あと5分以上持ち堪えることが予選突破の条件となっているサユダーソンですが、先程反撃のラッシュを浴びかけているため、待っていることは厳しいか。自分の勝利を優先し、ここでフォールへ。するとAYANOに肩を上げる気力は残っておらず、そのまま3カウントのゴングが鳴りました。決着タイムは12分21秒。ポイントを集計した結果、第1試合のおんぷがこの試合の勝者・サユダーソンに514ptの差をつけて、決勝トーナメント進出を果たす形となりました。 |
×AYANO 対 C・W・サユダーソン○ (12分21秒、スーパー・キック→体固め) |
獲得ポイント | 累計ポイント | |
AYANO | 1221pt | 4194pt |
C・W・サユダーソン | 1721pt | 4491pt |